肌たるみ防止漢方.jpg年齢と共に気になりだす、皮膚のたるみ。先日何かの雑誌で、イラストで女性を描く時に鼻の横のほうれい線を何歳から入れるか悩む、との記事が載っていました。目の下のたるみと同様、ほうれい線は加齢の特徴とも言えるのでしょう。
避けて通ることの難しい肌のたるみではありますが、出来る限り先延ばしにしたいものですよね。お化粧でカバーが出来ない部分だけに、積極的な予防を心がけてみてはいかがでしょうか。
ちなみに数年前から注目されている「セルライト」も基本的にはたるみの一種です。コラーゲンが良いなどと言われていますが、ごく一部の人には効果があっても、肌のたるみは千差万別。対処法もそれぞれ異なるのが自然です。そしてコラーゲンに限りませんが、飲んですぐに良くなるという訳ではなく、生活習慣や様々な部分を気をつけたり、マッサージを取り入れて総合的に段々と改善していくものです。美容は一日にして成りません。ぜひ根気よく続けてみて下さいね。
さて漢方的にたるみを考える時に、もっとも重要視する要素が「湿」の存在です。「湿」とは体の中の余分な水分のこと。たとえ乾燥肌の方であっても、内部に「湿」が存在しているケースがあります。
また、肌を支える「気」が充実していることも、たるみを防ぐ大きな要因となります。年齢と共に「たるみ」が生じやすい原因の一つは、「気」が段々と不足がちになるためと考えます。逆に若くとも「気」が足りない傾向がある方、すなわち元気がないような方は、たるみの発生も早くから起こりやすいと思っていても良いでしょう。
よって体の内面からのケアとしては、「湿」を生みだしやすい食材(コーヒー、ビール、チョコレート、アイスクリーム、お刺身など)を摂り過ぎないようにするとともに、「湿」を除去するウリ科の食材や、小豆、緑豆などを積極的に摂ると良いでしょう。
また、胃腸を労わって、「気」が常に充実しているように心がけます。タンパク質も適度に摂り、イモ類やご飯なども食べるとパワーが生まれます。逆に冷たいもの、生野菜、油の多い食事を食べ過ぎると胃腸が弱り、「気」の生成が不足してきますので、注意が必要です。
そして漢方薬としては、「湿」を取り除く「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」や「五苓散(ごれいさん)」などを使いながら、「気」を高める「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などを用いてたるみを予防すると良いでしょう。
ただし、これらのお薬をむやみにつかっても効果は薄く、その方の肌の状態に合わせて適切な漢方薬を選択しなければなりません。必ず漢方薬局などで専門家と相談をしてから服用を考えましょう。
なお、目の周りのたるみを予防したいのであれば目の下のツボ、首のたるみであれば首の後ろのツボ、ほほのたるみであれば耳の前や小鼻の部分のツボが効くでしょう。漢方薬を飲むだけでなく、ツボ押しを取り入れるとさらに改善が期待出来ますし、予防効果も高くなりますよ。