ペットの日光過敏症.jpg風にあたることを嫌がったり、外に出て陽にあたることを拒否する猫や犬がいます。部屋で飼育される猫や犬が増えていることが原因とも思いますが、体質的に「風」や「日光」に弱いのかもしれません。現実に猫の場合は「日光皮膚炎」と呼ばれる病気があり、陽に当たることにより毛が抜けるなどの症状が現れます。しかし日光に全く当たらないと今度は「クル病」と呼ばれる病気になる可能性が出てくるため、飼い主は困ってしまうこともあるでしょう。ちなみにこれらの病気は高齢になると起こりやすいとされます。
もともと犬や猫は外で暮らしていたのですから、このような病気は非常に不自然な状態です。人間に依る過保護や近親による繁殖、意図的に作られた血統、餌の問題などがこの病気を引き起こす要因になっていると思われますが、一般的には一種のアレルギーとして治療されます。外で病気をもらいたくないという気持ちは分かりますが、せめてひなたぼっこぐらいはさせてあげるようにしましょう。
さて日光過敏症を漢方的に考えると、防御力の低下であるとみなすことが出来ると思います。もともと体には自然界からの”邪気”をはね返す力が備わっています。これは「衛気」と呼ばれ、体を守るバリア力と考えて頂くと良いでしょう。この「衛気」が損なわれると、紫外線などが体に影響を強く与え、皮膚炎などを引き起こすと考えます。
よってこの「衛気」を補っていくことが、日光過敏症の体質を変えることにつながる可能性があります。例えば「衛益顆粒」という漢方薬の服用が候補になるでしょう。このお薬は基本的には「気(エネルギー)」を高め、温めるお薬であるため、あまり元気がなく、寒がりの猫や犬に用いるとぴったり合います。ちなみに「風」を嫌がる場合にも効果的であると思われます。
ただし皮膚炎が生じている急性期には基本的には温めるお薬は合わないので、その際にはまず皮膚炎を抑えることを考えてお薬を選択します。その他、持病やその子の性格に合わせてお薬を選択する必要があるので、漢方薬の服用を考える時はぜひ専門の先生にまずは相談してみて下さいね。