クッシング症候群は人間では聞きなれない病気ですが、プードルやダックスフンド、ポメラニアンなどの比較的人気の高い犬種に発症が多いとされます。基本的には6歳以上が罹りやすいとされていますが、それより若い犬でも発症するケースもあります。
クッシング症候群は副腎皮質ホルモン、いわゆるステロイドの過剰分泌が原因です。しかし、初期の見分け方は簡単ではなく、最初は水を多く飲むようになり、お腹が膨れてきて、顔が丸くなってきたかなあ、と感じる程度のことが多いようですが、眠っている時間が多くなったり元気がなくなるなどして病院で検査をして診断を受けます。
腫瘍などが原因と判明すれば外科的手術を行うこともありますが、比較的薬が良く効く病気のため、まずは薬物治療を勧められることが大半でしょう。
しかし軽症であったり、高齢であるなど、薬を使うべきか迷う時も多いでしょう。その際は漢方薬での対処を検討すべきケースも出てきます。また、西洋薬との併用により、その量を減らしたりすることを考えたい場合にも向いています。
漢方的にクッシング症候群を考えた場合、その症状は糖尿病に近いと感じます。中医学で糖尿病は主に「気陰両虚」という体質であると考えますから、クッシング症候群もほぼ同様の対処が当てはまるケースが多いでしょう。「気陰両虚」とは「気」と「陰」が不足していることを指しますので、「気陰」を補う漢方薬である「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」などの服用を検討します。
また「腎」の病気であるケースも考えられ、その場合には「瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)」などの「補腎」のお薬を使う必要も出てくるでしょう。
いずれにせよ症状、状況に合わせて漢方薬を考えていくことが重要です。漢方の専門家に相談して適切に対処をしましょう。
犬のクッシング症候群
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