尿路結石は、文字通り、尿路に結石が生じる病気であり、比較的オスに多いようです。一概に尿路と言っても、細かく見ると、尿道、尿管、膀胱、腎とあり、それぞれの部位に結石が出来る可能性があります。
尿路結石が起きやすいとされる犬種があり、ミニチュア・ダックスやシーズー、チワワなどの小型犬に多い傾向があるようです。
さて尿路結石の原因ですが、細菌感染が先に起こり、尿の質を変化させることによって引き起こされることが多いのではないかと考えられています。しかし、原因が良く分からない尿路結石も多く見受けられます。
症状は人間と同様、排尿時の痛みの他、尿量が減少して、血尿が出るケースが多いようです。おしっこの姿勢をしているにもかかわらず、いつもより尿が出ない傾向を感じたら注意が必要でしょう。
尿路結石の治療は外科的に行うケースが多いため、まずは動物病院を受診すると良いと思います。しかし高齢などで手術に抵抗がある場合や、結石が小さくて経過観察になった場合、結石を繰り返す場合などは漢方薬の服用を検討しても良いかもしれません。
漢方薬の治療の原則は膀胱炎に対する対処と大きくは異ならないため、下記のコラムもご参考下さい。
「ペットの膀胱炎」
原則として尿路結石は、中医学的にみると「湿(余分な水分)」と「熱(余分な熱)」が原因であることが多いため、それを取り除くために漢方薬が適用となることが多いでしょう。具体的には「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」や「五行草(ごぎょうそう)」となりますが、状況によっては五臓の「腎」に作用する漢方薬を使用した方が良い場面もあります。
どのお薬もやや長期的な観点から体質改善にも使用できるため、普段から服用することによって結石の予防を行うと良いでしょう。
なお人間の結石には「金銭草(きんせんそう)」をお茶として服用し、効果が出ることが多いため、犬や猫でも応用できる可能性があります。
また養生としては水をしっかりと飲ませることが重要であり、汗をしっかりとかかせてから、水を与えてみましょう。
さらには処方食と呼ばれるような結石体質を治療するペットフードも販売されています。結石の種類によって適する商品が変わってきますので、獣医さん等とよく相談の上で始められるといいのではないでしょうか。
ペット(犬、猫)と尿路結石
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