猫は嘔吐をする動物です。しかし、なぜ嘔吐をするのか、よく分かっていない面もあるのが現実です。体の異常でない嘔吐もたくさんあるということはまず覚えておかなければなりません。
それでも嘔吐をしている猫は苦しそうに見えて、何か心配になると言うのが飼い主の心情だと思います。毛玉は吐かなければなりませんが、回数が比較的多い場合には胃腸系の問題も疑われます。何となくおかしいなと感じる嘔吐の場合には対策を考えましょう。
まず病院を受診すべきであるかどうかですが、体重が急に減った場合や、1日に何度も嘔吐を繰り返す場合、嘔吐の回数が急に増えた場合などは、病院での検査が優先です。脱水症状を起こしてしまうと大変ですから、基本的に急性の嘔吐は病院での治療を優先させましょう。
逆に、回数が一定であるが毎日のように吐く場合や、慢性的に便の調子も悪い場合、少しずつ年齢と共に嘔吐の回数が増えてきた場合などは漢方薬での対処が考えられます。腎不全などの病気が隠れているケースもありますが、その場合であっても漢方薬での対応が可能です。
さて嘔吐を繰り返す猫の場合には、対策が二つ考えられます。まずは、余分な水分などが存在していると考えて、「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」などの漢方薬を服用してみるという方法です。これはどちらかというと短期的な観点から考えた処方となります。
もう一つが、胃腸機能を高める方法です。胃腸機能が弱いために、消化不良や胃液が溜まり過ぎるなどが起こり、嘔吐に結びついてしまうと考えるのです。これは根本的な対策となり、猫の体質強化にもつながります。具体的には「六君子湯(りっくんしとう)」や「参苓白朮散(じんれいびゃくじゅつさん)」などの漢方薬が候補に挙がるでしょう。
いずれにせよ、猫の状態の見極めが重要です。嘔吐は部屋を汚すからイヤだという観点ではなく、猫が体の不調から嘔吐しているのであれば対策を考え、逆に自然現象として吐いているのであれば、致し方ないものとして受け入れることが重要です。下痢も同じですが、無理に嘔吐を止めることは、逆に病気を長引かせることにもつながりかねません。日頃から猫の状態を良く観察して、嘔吐対策を行うようにしましょう。
猫の嘔吐対策
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