犬猫の不眠.jpg動物が不眠なんて…と感じますが、睡眠障害は時々起こるようです。とはいえ、やはり限定的で以下のようなケースに分けられると考えます。
1)昼夜逆転パターン
睡眠は昼に取ってしまい、夜に寝ずに飼い主が起こされたり、夜中に啼き困ってしまう状況です。
2)神経質なパターン
大きなストレスがかかったりした場合や、極度に暗闇や孤独を怖がったりして寝ない状況。
3)痴呆や老化が関係しているパターン
脳神経系の原因で、人間で云ういわゆる深夜徘徊などが起きてしまう状況。
いずれにしても、あまり健康的とは言えません。夜に吠えるとなると、ご近所さんへの迷惑も考えなければならなくなりますし、深刻な問題となるでしょう。基本的には一時的な症状で、数日で治まる場合も多いのですが、頻度が高い時には、しっかりと対策を考えねばなりません。
動物病院では睡眠薬を処方されるケースもあるかもしれませんが、出来れば避けたいと思うのが飼い主の率直な気持ちではないでしょうか。睡眠薬は効き過ぎると、日中も眠くなりますし、体への負担も気になります。ぜひ漢方での対処も考えてみて下さい。
漢方の理論で上記のケースを考えていくと、それぞれ適する漢方薬も変わってきます。年齢や食欲、他の病気の有無なども考慮し、総合的に考えて判断すべきですが、主には以下のような対処方法が考えられます。
1)昼夜逆転パターン
「陰」不足が生じていると考え、「天王補心丹(てんのうほしんたん)」などの「補陰」作用を持つ漢方を検討します。
2)神経質パターン
シベリア人参」など、リラックスに働く漢方薬が候補となるでしょう。人間の子供の夜泣きに使われる「抑肝散よくかんさん)」なども合う可能性があります。
3)痴呆や老化が関係しているパターン
老化であれば「補腎薬」は欠かせません。「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」などの漢方薬が検討されます。また、開竅と呼ばれる力を持ち、精神面を開放する「牛黄清心丸(ごおうせいしんがん)」を試してみるケースもあるでしょう。
なお、特に室内犬や猫の不眠には人間の生活リズムの乱れが関与している場合も多いと思われます。動物は夜は寝ることが基本。愛するペットのためにも、規則正しい生活を目指しましょうね。