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  流産を漢方で防ぐ


(2009/09/19)

流産 防止 漢方.jpg妊娠の喜びもつかの間、突如告げられることもある流産という非情。精神的ショックは図り知れません。しかし流産が起こる頻度は、普通に我々が感じているより高く、自然妊娠全体の15%とされます。この数字には、女性が妊娠と気づかずに起こった通常の生理と同じような出血による流産などは入りませんので、実際にその数値はもっと高いのではないでしょうか。
なお体外受精における流産率は25%程度とされ、自然妊娠のそれより高くなっています。また、年齢によっても違い、40歳以上では25から30%程度と高くなることが知られています。

一般的には受精卵の着床が成立すると、妊娠4週(最終生理から4週)には妊娠検査薬で陽性反応が出ます。そして4週の中頃からは超音波検査で胎嚢が認められるようになり、6週では心音が確認できます。
しかしその途中で胎児の成長が止まってしまう残念なケースが多いことが現実です。6週で心音が確認されれば一安心、さらに12週まで育てば、流産の確率はかなり低くなります。

流産の原因は多くの場合はっきりしません。ただし、流産の60から70%には胎児の染色体異常が認められるとされます。卵子、精子、胚の形成過程で偶然に生じてしまうと考えられ、防ぐことは出来ないと結論付けられています。いわゆる自然淘汰であり、残念ながら健康に育つことが出来なかったその子の運命と考えるべきなのかもしれません。
その他の要因は基本的に母体の問題であり、子宮の形態、黄体ホルモンの分泌不全、自己免疫抗体などの関与が考えられてます。

では流産を防ぐために、漢方薬を使ってどのようにケアすればよいのでしょうか。まず前述の母体の問題に関しては非常に有効であると考えます。子宮筋腫などの物理的問題に対処することは簡単ではありませんが、機能的要因に関しては積極的に使っていくべきと思います。妊娠初期は薬を飲むことをためらう方が多いのですが、適切な漢方薬であれば心配はいりません。健康な赤ちゃんを育む助けともなるでしょう。

基本的には体に元気をつけ、妊娠によって失われやすい「血」を補う作用のあるお薬が有効となります。具体的には「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「香蘇散(こうそさん)」「帰脾湯(きひとう)」などが良く使われます。また抗体の問題に関しては「柴苓湯(さいれいとう)」が頻繁に使用されているようです。しかしその方に合わせてお薬を慎重に選択することが何より大事です。

では染色体異常に対してはなすすべはないのでしょうか。私は良い卵や精子を育むことが重要と考えています。よって妊娠した後ではなく、タイミングを取る前のケアが大事であり、さらに言えば卵子や精子が形成される3か月間の体のケアが、染色体異常の確率を減らすことになると思います。
よって「補腎薬(ほじんやく)」と呼ばれる「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」や「海馬補腎丸(かいばほじんがん)」といったお薬を、妊娠を成立させるためだけではなく、流産を防止する意味でも服用することをお勧めします。

流産は女性にとって、本当に辛い出来事です。起こってしまった場合は心のケアも体のケアも大事となります。ご主人はもちろん、周りの方の助けを思う存分借りて、何とか乗り切っていきましょう。

(参考文献;不妊ケアABC(医歯薬出版株式会社))

 

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