接触性皮膚炎と漢方.jpg接触性皮膚炎は化学物質が原因で引き起こされる皮膚炎です。その原因は植物が多いとされますが、最近は化粧品や軟膏、シャンプー、洗顔料などによって引き起こされるケースが増えています。また金属類が原因となる場合もあり、ピアスや指輪などの他、入れ歯が問題となることもあるようです。さらにはゴム手袋なども要因となります。
接触性皮膚炎の場合には、まずその原因を排除することが何より大切です。しかし特定が難しい場合も多々あります。上記で述べたように日常的に使うあらゆるものが原因となるため、「まさかこれが」と思うものが犯人であるケースもあります。長年使っていた石鹸や化粧水で突如症状が出る場合もあるため、肌に触れる物質はなんでも疑ってみることが必要です。
さて原因が分かったとしても、肌や体のお手入れは重要です。接触性皮膚炎はいわゆる敏感肌の方に起こりやすい皮膚炎です。体に問題がない時は症状が出ない場合でも、疲れたり不調である時には発症することもあり得ます。痒みや痛みがある時にはステロイドを使わざるを得ない場合もありますが、基本的には体質改善とスキンケアを心がければ、再発もしにくくなるでしょう。
接触性皮膚炎は紅斑(紅いボツボツ)となるケースが多いようです。漢方的には”熱”と捉え、その”熱”を除去する漢方薬(涼血清営顆粒(りょうけつせいえいかりゅう)など)を使用します。またもともと乾燥肌の方の場合には、体に潤いを与えるタイプの漢方薬を使う場合もあります。いずれにせよ症状と体質を見極めたうえで、適切な漢方薬を使用することが重要です。
また、スキンケア無くして改善は進みません。自然成分に近い、とにかく刺激の少ない商品を用いて治していきましょう。コットンに染み込ませた化粧水で炎症のケアをした後に、クリームでお手入れすることが基本となります。スキンケア商品を選ぶ際も必ず専門家に相談してから使用しましょう。