発散は体調維持のためにとても大切。発散の対象はストレスだけではありません。身体に悪いモノを溜め込まないようにするための発散は、とても重要なのです。語学的に発散の対になる言葉は”吸収”などかもしれませんが、健康面で考える時は”貯留”などの言葉がピッタリくるような気がします。やっぱり溜め込むことはよくありません。
とはいえ、何となく発散は大事と分かっていても、簡単ではありませんよね。自分なりの発散方法を見つけることが出来ればいいのですが、どうしても上手く発散できないという方は、漢方的な考え方から発散の方法をつかんでみてはいかがでしょうか。
まず漢方で発散と言えば、邪気を追い出すこと。そして発散の一番基本は汗をかくことです。最近は汗をかく機会が減っているように思います。それどころか汗をかくことを嫌っている方も多いかもしれません。しかし汗は発散のために大切ですから、寒い時期も適度に汗をかけるとよいですね。
なお運動だけが汗をかく方法ではありません。半身浴などでじんわり汗をかいてもいいですし、辛味のネギ類などをホクホク食べて汗をかくこともよいでしょう。とはいえ、体を動かすことは発散以外にもメリットがありますので、やはり運動での汗が一番です。ちなみに風邪の時にかく汗も、邪気を追い出すために必要なものと考えます。
ひとつ注意点は汗もかきすぎないこと。汗と一緒にエネルギーや水分も抜けていき、逆に体にダメージを与える可能性も。ほどほどの汗が発散には効果的です。
次に香り。生薬としても、薄荷など香りで発散するタイプがあります。今の時代で云えばアロマになるのかもしれませんが、香水など人工的でない自然な香りを生活に取り入れてみてはいかがでしょう。
最後に番外編としておしゃべりやカラオケなど、声を出すことも挙げておきます。発散とはとにかく体から出すこと。大きな声を出したり、たくさんおしゃべりすると、邪気も外に逃げていくのではないでしょうか。
逆に内向きな睡眠や食事などは、漢方的な発散方法とは異なります。とはいえ、もちろん発散の効果的な方法は人それぞれです。自分に適した発散方法をいろいろと試してみましょうね。