ワカメ、昆布、海苔などの海藻類。海に囲まれた日本では、昔から海藻を上手に食事に取り入れてきた歴史があります。昆布はだしに使われますし、ワカメはお味噌汁に欠かせません。海苔は和の朝食にはつきものですし、考えてみると、代表的な日本の朝食は海藻がたくさん使われていますね。
海藻類はあまり栄養がないようにも感じられるかもしれませんが、ミネラルや食物繊維が豊富とされます。ヨードが含まれることでも知られ、主食とはならなくとも体を整えるためにとても役立つ食物なのです。
さて子供の頃、ワカメを食べると髪の毛が増えるとか、白髪にならないとか話を聞いた記憶があります。明確に証明されている話ではないのかもしれませんが、全く見当違いの話が長きにわたって語られることもない気がします。
実は海藻類は漢方的に「髪」に良い可能性があるのです。
漢方の考えにおいて海藻は「鹹味」とされ、「腎」に作用する食べ物とされます。「腎」とは生命力を担う場所。すなわち海藻を食べることで「腎」のケアが出来て、生命力アップにつながると考えられるのです。
そして「腎」は老化とも関係が深く、「腎」が満たされていると髪の毛の状態も若々しく保てることに。よってワカメを食べることで髪の毛が黒く、ふさふさになるという話はあながちウソでもないと考えます。もちろんワカメだけでなく、昆布や海苔も悪くないでしょう。
また海藻には「軟堅」といって凝り固まったものをほぐす作用があると言われます。よって腫瘍や筋腫などに対しても効果を示す可能性がある食べ物ですし、胃腸にもよいと言われます。
一つだけ注意点としては、やや冷やす作用があること。強く冷やすわけではありませんが、極端に多く摂ることは控えた方が良いでしょう。
とはいえ海藻類は、毎日摂りたい食材です。「腎」のケアは一生をとおしてコツコツ行うべきもの。海藻を食べて、髪の毛ケアだけでなく、健康長寿を目指したいですね。