不妊と漢方7.jpgオリモノの量や色、臭いなどについて気にされている方は多いようです。生理と違い、オリモノについてそれを語ることにやや気恥かしく感じる面があるようですが、女性にとってはなくてはならない大切なものです。
正常なオリモノは、排卵期(生理から14日目前後)に、透明で糸を長く引く形で分泌されます。専門用語では「頚管粘液」と呼ばれ、精子が卵子と受精する手助けをします。よって「頚管粘液」が少ない、または質が悪い場合には、妊娠の可能性は下がってしまいます。自分でチェックすることはなかなか難しいのですが、水のように色は透明で臭いはほとんどなく、10cm以上の「牽糸性(伸びるかどうか)」があると良いとされています。オリモノの状態で排卵日を知ることが出来るくらいが理想的です。
なおクロミッド治療中にはオリモノが減少します。これは妊娠のマイナス要素となります。
排卵期前後のオリモノは生理的で正常な分泌物ですが、常に量が多い場合や、かゆみ、痛みを伴う場合などは病的症状である可能性もあります。性病などの可能性が高い場合は病院での治療を優先しましょう。ただしカンジダなどは免疫とも深く関係しているため、病院の治療や投薬では良くならない場合もあり、その場合は漢方を試してみる価値があります。
さて漢方では「帯下病」と言われ、昔からオリモノに関する治療法が研究されてきました。オリモノの状態だけでなく、全身症状をみて体質を判断する必要はありますが、その情報は様々な面で参考になります。妊娠とも大きく関わっているオリモノのチェックを普段からするようにしましょう。
オリモノの量が多い場合、大きく分けて以下の3つの原因が考えられます。
脾虚(ひきょ)…胃腸の消化吸収機能が弱い場合です。体内に残った水分がオリモノになると考えます。このタイプのオリモノの色は白色で臭いもほとんどありません。
「星火健脾散(せいかけんぴさん)」などのお薬で、胃腸の状態を整えます。
腎虚(じんきょ)…生命力が衰えて身体を温める力も弱くなり、体が冷えてオリモノが増えます。オリモノの色は薄く水っぽく、冷たい傾向があります。「腎虚」は加齢とともに必ず生じるものですが、長く病気に罹っていたり、無理な生活を続けることによっても起こり得ます。不妊とも大きく関わっている要素です。
“腎”を補う漢方薬として「八味地黄丸(はちみじおうがん)」や「海馬補腎丸(かいばほじんがん)」などが使われます。
湿熱(しつねつ)…体の中の余分な水分が停滞して熱化した状態です。オリモノの色は黄色または赤っぽくなります。また粘り気があり、臭いも強くなる傾向にあります。
「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」や「五涼華(ごりょうか)」などの薬が使われます。
以上がオリモノが多くなる主な原因ですが、そのほかの要因が存在することもありますので、詳しくは専門家に相談ください。ご自身がどのタイプか分からない場合には下記の「3分簡単漢方相談」もご利用ください。メールにてもう少し詳しく説明いたします。
3分簡単漢方相談
オリモノの状態を良くすることは妊娠への第一歩です。排卵期の大切なオリモノチェックを怠りなく!