基礎体温などから排卵されていないことが疑われる場合には、妊娠は望めません。生理があれば排卵しているはず、と考えている方も多いようですが、実際には無排卵月経の方も多く、その場合には基本的に基礎体温が一定で、高温期がありません。
また、黄体が形成されて基礎体温が上がっていても、排卵していないケースもあるとされます(黄体化未破裂卵胞)。
さらには多嚢胞性卵巣症候群の場合にも無排卵となることがあります。
とはいえ、調べた周期に無排卵であった場合でも、ある程度規則正しく生理が来ていれば、その時だけ無排卵であっただけなのかもしれません。多くの女性が時に無排卵となることもあるとされますので、一度の検査では何とも言えません。周期によって排卵が上手く行われることも十分ありえますので、数周期は様子を見ても良いのではないでしょうか。
西洋医学的には、無排卵であればホルモン検査をしたうえで、まずはクロミッドの服用を考えることと思います。クロミッドはかなりの確率で排卵を起こします。しかし、FSHが高く、卵巣機能の低下が疑われる場合の無排卵でクロミッドは無効です。その際はhmgやhcgを用いて排卵を促す場合もあるでしょう。プロラクチンが高いために排卵しないと考えられるケースでは、まずは高プロラクチンに対処するお薬を服用して様子を見ます。
さて無排卵の際の漢方的対処法ですが、生理が来ているようであれば漢方だけでも十分に排卵を起こすことが出来る可能性はあります。様々な中医学的要因が考えられるために簡単には説明できませんが、主に下記の要素の改善を図ります。
1、腎虚
いうなれば生命力や生殖力が衰えた状態であり、「参茸補血丸(さんじょうほけつがん)」などの「補腎薬」を用いて体に活力を戻します。
2、気血不足
体を動かすために必要不可欠な要素である気血が不足して起こった無排卵、無月経の場合には「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などの「補気薬」や、「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」などの「補血薬」を用います。
3、気滞血お
気や血の巡りが悪い状態です。今まで正常であったのに、ストレスなどによって生理が不順になった場合などはこのタイプと推測されます。「水快宝(すいかいほう)」などの、強く気血の巡りを改善するお薬が必要でしょう。
原則として不妊の方であれば3カ月、まだ赤ちゃんを望んでない場合にも半年生理が無い場合や無排卵が疑われれば、病院でクロミッドなどを用い、生理を起こした方が良いように思います。体が生理を忘れてしまってはいけないからです。
排卵がしにくいと妊娠の確率は下がりますが、決して妊娠が望めないわけではありません。重度の生理不順の方でも時として、簡単に授かるケースも多いものです。前向きに体質改善を考えていきましょうね。
無排卵の対処法
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