不妊のはなしウソホント.jpg妊娠のメカニズムについて、おおよそのことが分かってきたとはいえ、まだまだブラックボックスな事象が存在します。生殖とは本当に神秘的なもの。基本的には何もないところから一人の人間という生物を作ってしまうのですから。
そして生物は本能として子孫を残そうとする気持ちを持ちます。そうすると、不妊は多くの人が関心があるにも関わらず思うようにならない、未解明な部分が多い現象ということになり、噂のたぐいが現れやすい気がします。
不妊専門の医師に言わせれば、漢方薬も”噂”に過ぎないのかもしれません。しかし「漢方が良かった」と言う方が多いからこそ、「不妊には漢方」と言われているのだと思います。なかなか明確に証明できないことが歯がゆいですが。
さて今回は、そのような妊娠、不妊に関する常識のウソホントを検証してみようと思います。今回のデータはすべて、不妊カウンセラー養成講座において国際医療技術研究所の荒木重雄先生が発表された、様々な文献データをもとにした資料を参考に記載しました。
1)20代前半の女性と比較して、30代後半の女性は妊娠の可能性が半分に低下する。
これは最近テレビなどでも取り上げられてきている事実ですが、まだまだ知らない方も多いような気がします。なお43歳になると、現在の医療でもっとも妊娠の可能性を高めるとされる体外受精を行っても、出産までに至る確率は2%程度というデータがあります。
2)男性の精液検査の結果は35歳を超えると低下するが、50歳までは妊娠の確率を下げるものではない。
女性に比べて男性の年齢による妊娠力の低下は緩やかなようです。ただ私はこのようなデータがあっても、最近の男性は衰えが早くなっている方が多いような気がします。「男性の妊娠させる力」は年齢と共に必ず衰えます。
3)男性が5日以上禁欲期間をおくと、精子数が低下する。2日程度の禁欲であれば正常範囲となる。
病院で人工授精や体外受精の前に禁欲期間を置いて下さいと指示されるケースが多いですが、私は出来る限り自然に任せるべきと感じます。前日であっても、愛し合う時間と気持ちがあれば夫婦生活を持った方が結果につながると思いますよ。
4)正常精液の男性は連日の射精でも精子濃度と運動性は正常域となった。精子数が少ない乏精子症の男性は連日射精の方が高い値が出たという驚きの結果に。
3)と関係しますが、間を無理に空けることは良くないと感じます。連日射精が良いかどうかは年齢や疲労の具合などによっても変わると思いますが、とにかくあまり頭で考えずに欲求を大切に考えると良いのではないでしょうか。
5) 妊娠の可能性が高い期間は排卵日前6日間で、排卵日の2日前に性交した場合がもっとも妊娠率が高かった。排卵日から低下が始まる。
当店で相談される方にもよく伝えますが、排卵日よりもその前の夫婦生活が大事に思います。ピンポイントを目指す必要はありません。どうしても月に一度しか出来ないという方がまれにいらっしゃいますが、そのような時も排卵予定日より前にタイミングを取るべきでしょう。
今回は以上ですが、これらも100%の真実とは言い切れません。知識が逆に妊娠の妨げになっている場合もあるように思います。人それぞれ情報の受け止め方は異なって良いのですが、自分なりに頭を整理して妊活をしていきましょう。