湿疹、じんましん、アトピー性皮膚炎など、いわゆる皮膚病に悩まされている方は、非常に多いようです。皮膚病を医学的に考えた場合、その根本的原因はいまだはっきりしていません。
“アレルギー”という言葉で説明されることも多いのですが、いわゆる免疫異常であることは間違いないにしても、なぜその異常が起こるのかという点ははっきりしていないのが現状です。
よって皮膚病を西洋医学的に根治させることは難しく、多くは今起きて困っている症状を一時的に取り除く方法、すなわち対症療法が取られます。具体的には、現在起こっている免疫過剰を抑えるお薬(免疫抑制剤=ステロイド)や痒み止めなどが処方されています。このステロイドは非常に良く効くお薬ですが、反面その副作用が問題視され、その使用をためらう方が多くなっています。
その代わりとして、皮膚病に漢方薬を用いる人が増えています。漢方は皮膚病を根本的に治す可能性があるとされ、また副作用も比較的少ないという点から見直されているのです。
西洋医学では原因の良く分かっていない皮膚病ですが、漢方ではその原因を漢方的な見方で捉えることにより、対策を立てることが可能となります。
皮膚病と漢方1.jpgそしてこの漢方の見立てで皮膚病を考える時、主な原因となるのが”熱””風”そして”湿”です。これらは邪気と呼ばれ、私たちの周りの環境から生じ、体内に影響を及ぼします。
皮膚病ではこれら3つの邪気が悪さをしている場合がほとんどであるため、それを取り除いたり打ち消す漢方薬を服用することにより症状を和らげるのです。
実際には、これら3つの邪気以外が絡んでいることもありますし、正気といって体の根本が弱いために起こっている場合もあります。原因をしっかりと吟味して、最も適したお薬を服用することが重要となってくるのです。