アトピー性皮膚炎は難病とされ、非常に多くの方が苦しんでいます。「痒くて夜も寝れない」「顔中に炎症が広がり、外も歩けない」など、本当につらい症状が続きます。医学的には生命に直結する病気ではないとされますが、生活の質の面で考えれば、生きていくことがつらくなるほど重篤な症状であると言えるでしょう。
アトピーの原因はいまだ完全に解明されていません。アレルギー症状であることはほぼ間違いないのですが、その「アレルギー」を現在の医学では完全に防ぐことは出来ません。よってアレルギー症状を緩和することによって治療を行うことになります。
アレルギーは簡単にいえば、免疫が過剰に反応してしまった状態。よって免疫を抑えることにより、その症状を和らげるのです。
そのため、アトピー性皮膚炎には免疫抑制剤が最も良く使われます。この免疫抑制剤の代表が有名なステロイドです。
ステロイドは非常に効果の高いお薬で、長い間苦しんでいた皮膚炎が驚くほど良くなることも多々あります。本当に症状が厳しい時はぜひとも有効に使いたいお薬です。しかしその一方、免疫を抑制するお薬ですから、当然のように副作用が存在します。アトピー性皮膚炎は現在根本的に治すことが難しい病気ですから、長い間ステロイドを使わざるを得ず、その場合には種々の困った症状(皮膚のゴワゴワ、感染症、シワなど)が出てくることが多いのです。そのような症状が出なくとも、ステロイドという良く効くお薬の長期連用を、逆に心配する方は少なくありません。
このような方に知っておいて欲しい手段として漢方があります。もちろん漢方もアトピーに対して絶対に効果があるというわけではありません。しかしそれを試す価値は十分と思います。
その理由として、
1)副作用が少ない
2)根本的な体質改善につながる
3)アトピー性皮膚炎以外の体の症状のケアになる
などが挙げらます。
ただし、漢方薬を服用する場合には自己判断ではなく、しっかりとした理論をもとにした分析のうえで薬を選び、根気よく飲み続ける必要があります。適当な薬を短期間服用しても効果が上がる可能性は低くなります。ぜひ専門家にご相談の上で服用を始めて下さいね。
次回以降はもう少し詳しくアトピー性皮膚炎と漢方について述べていきます。
アトピー性皮膚炎(1)
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