ニキビと漢方2.jpg前回のコラムで書いたように、一口にニキビといってもたくさんのタイプがあります。判断は簡単ではありませんが、目安として以下にタイプ別によく使う漢方薬を記してみました。参考にしてみて下さい。なおここに挙げたお薬は代表的なものであり、体質によっては違う薬を使うことも多々あります。ご注意ください。
1)ニキビの出来る場所が様々で、良くなったり悪くなったりを繰り返すタイプ。色は白っぽい。
このタイプのニキビは”風邪(ふうじゃ)”が関係しています。”風邪”とは中医学で云う邪気の一種。ニキビが痛痒い場合もあるでしょう。
このような時には”風邪”を取り除くために”消風散(しょうふうさん)”や”清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)”などの漢方薬を用います。比較的初期の段階のため、治りが早い場合も多いでしょう。
2)ニキビが口周辺に多く出来るタイプ。色は白っぽいが、化膿し赤味を伴うこともある。
このタイプは、胃腸機能低下によって引き起こされたニキビです。胃腸機能が弱いと、余分な水分が身体に残り、それが熱化してニキビとなります。
このような時は、胃腸機能を改善しながらニキビを治すことが必要となりますので、晶三仙(しょうさんせん)という漢方の消化剤を服用しながら、余分な水分と熱を取る漢方薬として”黄連解毒湯(おうれんげどくとう)”などを用います。根本は胃腸が弱いために生じているので、ニキビが良くなった時に胃腸の体質改善に努めないとまた繰り返してしまう可能性があります。
3)ニキビが顎(あご)や頬(ほほ)などフェイスラインに出来やすく、色はやや紅い。
このタイプのニキビは、ストレスが大きく影響しています。ストレスがたまると”気の停滞”が生じ、熱化してニキビとなります。生理前にも悪化しやすいでしょう。
この場合は、”竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)”などの漢方薬を使用します。ストレスを上手く体の中で処理することが出来れば、ニキビは落ち着いてくるでしょう。
4)ニキビ跡が残りやすく、黒ずんでいるタイプ。
血行が悪いために引き起こされたニキビです。程度としてはやや重いため、根気強いケアが大切です。
血行を改善し、熱化した状態を取り除くために、”涼血清営顆粒(りょうけつせいえいかりゅう)”などのお薬を用います。
熱が原因となることが多いニキビには、香辛料などの刺激が強く体を温める食材は禁物です。また脂の多いもの、アイスクリームなどの冷たいものも胃腸の働きを妨げて、熱の発生の原因となることがあるので注意が必要ですよ。
また便秘も悪化の原因となるため、食物繊維の多い食事を心掛け、どうしても出ない場合は、体質に合った便秘薬を併用しましょう。
なおニキビにとって大敵なのがストレスをためること、です。趣味などでリラックスを心がけるとともに、出来れば継続的に運動をして軽く汗を流すようにしましょうね。