掌蹠膿疱症と漢方.jpg掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手のひらや足の裏に小さなブツブツができ、そこが膿んだり、皮がむけガサガサになったりする病気です。痒みを伴うことが多いうえ、手のひらは日常良く使い、目立つ部分だけに生活に大きく影響します。今まで比較的健康であった方が突如発症するケースもあり、びっくりすることも多いようです。菌が原因ではないので他人に感染はしません。
病気を引き起こす原因は不明ですが、免疫異常である可能性が高いとされています。菌が検出されませんので、抗生物質は無効であり、病院では主にステロイド(免疫抑制剤)で治療します。しかし、一度良くなっても繰り返し発症してしまう場合があり、根本治療として漢方薬を服用される方も多くなっています。
掌蹠膿疱症も他の皮膚病と同じように、その皮膚の状態や体質を見極めて服用する漢方薬を選択する必要があります。状況によっては改善に長期間かかる場合もありますが、20年続いていた症状が2週間で良くなったという報告もあります。
原則として掌蹠膿疱症を引き起こす中医学的原因は”熱”と”湿”であると考えます。掌蹠膿疱症は大体において”膿み”と”紅斑”が特徴です。”膿み”は体から生じた余分な水分すなわち”湿”であり、”紅班”は体内の余分な”熱”により引き起こされていると捉えるのです。
よって”熱”と”湿”を取り除く「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」や「五行草(ごぎょうそう)」という漢方薬が良く使われます。さらに外用薬として「瑞花露ローション」や「五行草」の湿布を用いると痒みに対して素早く対処が出来るでしょう。
また掌蹠膿疱症を引き起こしている根本の原因は体内の免疫バランスの乱れであるため、たとえ症状が一時的に良くなったとしても、体質を漢方で整えることも重要です。ストレスや疲れが関係してる場合も多いのですが、この場合も漢方で体をケアすると良いでしょう。
いずれにせよ「掌蹠膿疱症に効く漢方はこれ」と言えるべきものはありません。漢方の専門家に良くご相談のうえ、服用をお決めくださいね。