主婦湿疹と漢方.jpg手の指や手のひら・甲にのみに出来る湿疹を、手湿疹、汗疱などと呼びます。このような湿疹は家庭で家事を行う主婦に起きることが多く、主婦湿疹と呼ばれる場合もあります。その症状は様々で、痒みが強い場合もあればそれほどでもない場合、紅い湿疹であったり白い粒状であったりと多種多様です。
原因はアレルギーや洗剤などの刺激が関与しているケースが多いとされますが、はっきりとした原因はつかみきれないことが多いでしょう。なお白癬菌(水虫)やカンジダ、掌蹠膿疱症などとの鑑別が必要です。
主婦湿疹の場合は、まず水仕事を減らして、水を使う場合には手袋を着用するようにします。またお湯を使うことも控えめにした方が良いでしょう。洗剤の種類を変えたり、出来るだけ触れないようにすることが症状の軽減につながることがあります。
その他スキンケアも重要です。こまめにローションでケアをしてクリームを塗布するようにします。
皮膚科では湿疹の状態によっても異なりますが、ステロイド軟膏や亜鉛華軟膏などが出されることが多いようです。加えてアレルギーを抑えるために抗ヒスタミン薬などを内服することもあるでしょう。
痒みが非常に強い時には上手にこのようなお薬を使わなければ、いつの間にか皮膚を掻き壊して修復を遅らせてしまうこととなります。しかし慢性化した状態でいつまでも治らないケースは体質改善を考えて漢方薬の服用や漢方外用薬の使用を考えても良いでしょう。
主婦湿疹の漢方薬として病院で「温経湯(うんけいとう)」が出される場合があるようですが、このお薬は症状がかなり安定してる時でないと合わない可能性が高いと思われます。なぜなら「温経湯」は体を温めるお薬であり、湿疹が温まってしまうと炎症が増すと考えるのが漢方の理論だからです。
乾燥感が強い場合には「温清飲(うんせいいん)」や「当帰飲子(とうきいんし)」をまず考えるべきでしょう。また皮膚に潤いを与える「紅沙棘(ほんさーじ)」がぴったりと合う場合もあります。
逆にジュクジュクしているタイプの時は、”湿気”を取り除く作用を持つ「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」などが候補となります。「五行草」も役に立つ可能性が高いでしょう。
さらに「瑞花露クリーム」や「瑞花露ソープ」「瑞花露ローション」は漢方の配合されたスキンケア商品ですから、安心して用いることができます。また「五行草」を湿布して使うと痒みも減り効果的なケースが多いようです。
なお主婦湿疹は良くなったり悪くなったりしやすいのですが、良くなっても薬を飲み続けて根気よく体質を改善することが重要です。