女性にとって、もっとも気になる肌の老いと言えば「しわ」ではないでしょうか。「しわ」は年齢と共に刻まれるものであり、それを完全に防ぐ方法はありません。年と共に「しわ」を重ねてこそ人生、とも言えないことは無いのですが、やはり出来る限り長い間つるつるお肌でいたいもの。これは男性も例外ではないでしょう。やはり「抗老」は人間の普通の欲求の一つと思います。
さすがに80歳でしわ一つない、となると逆におかしい感じがしますが、30歳でしわが気になりだすというのも考えものです。そういった場合には、日頃のスキンケアと言うよりも、身体の中のアンバランスが潜んでいることがほとんどです。
化粧水や乳液、クリーム、美容液などたくさんの化粧品を取り揃えている方が多いかもしれませんが、それよりも身体の中からの対策が重要です。もちろんスキンケアをした方が良い場合もあります。しかしながら、多くの場合は化粧水とクリームぐらいで十分です。
ちなみに私は顔のスキンケアはまったくしていませんが、お客様から「お肌がきれいですね」とよく言われます。紫外線対策もゼロです。やはり根本は体の中からという、一つの証拠ではないでしょうか。
では具体的には、どのようなしわ対策をすれば良いのでしょうか。もっとも気を付けるべきは肌の乾燥です。高齢の方は肌が非常に乾燥しています。これがしわを作り出す要因の一番になってしまっているのです。
ちなみに紫外線は、肌が丈夫な方にはさほど影響を与えないと私は考えています。もちろん夏の海辺や冬のスキー場などは日焼け止めの対策が必須ですが、普段はそこまで気にする必要はないのでは、というのが私の考え方です。
漢方での乾燥対策としては、「血」や「津液(しんえき)=水分」を身体に補うことを考えます。また年齢が進むにつれて、「陰分」と呼ばれる「津液」よりさらに深い水分が失われていきます。よって、その補給も検討していくと良いでしょう。
ちなみに「陰」は年齢と共に減少していく傾向がありますが、睡眠不足や激しい運動での大量発汗などがあると、さらに進行が早くなるとされます。私が懸念するのは最近の岩盤浴やサウナなどのブームです。汗をかくと気持ちいいかもしれませんが、やり過ぎは「陰分」を消耗します。無理をせずに適度に楽しむことが出来れば良いですね。
よって、肌に潤いを与える漢方が結果としてしわ対策になるのですが、具体的には「血」を補うものとすれば「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」、「津液」を補うものには「西洋人参(せいようにんじん)」や「紅沙棘(ほんさーじ)」、「陰分」を補うお薬としては「八仙丸(はっせんがん)」などが挙げられます。
しかし、その体質の見極めが大切となりますし、上記は一般的な処方なので、もっとも適する漢方を選ぶのがポイントです。そしてしわ対策に関してはやはりある程度長期の服用も念頭に入れるべきでしょう。
また、普段から「血」「津液」「陰」を増やすための食事を心掛けてみて下さい。鶏肉、根菜類、海藻類などがお勧めです。コラーゲンが良いとされますが、そればかりでなくバランス良く食事を摂ることが重要です。
逆に辛いものやナッツなど乾きものを食べ過ぎるのは控えた方が良いでしょう。
いずれにせよ一朝一夕にしわ対策は出来ません。日頃からの生活養生をコツコツ行っていくことが、美肌を保つ一番の秘訣です。そしてそれが健康な体作りにもつながります。ぜひ漢方的しわ対策を実践してみて下さいね!
しわ対策
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