限局性強皮症.jpg強皮症(きょうひしょう)は、全身性硬化症とも呼ばれ、皮膚の硬化を特徴とする疾患です。皮膚の変化を特徴としますが、内臓も線維化する免疫の病気です。
よって強皮症自体は皮膚病というより内科の疾患になりますが、限局性強皮症と呼ばれる、皮膚だけに起こる強皮症があります。これら二つは全く別の病気と規定されます。今回は「皮膚病と漢方」のカテゴリーになりますので、限局性強皮症について記述していきたいと思います。
ちなみに限局性強皮症にはモルフェアと呼ばれる斑状に皮膚が硬くなる場合と、線や帯の状態に硬化が発生する場合があります。若い人に発生するケースが多く、また女性の方が患者数が多いとされます。原因は免疫の異常ということしか言えず、はっきり言えば不明です。
皮膚が硬くなる部位としては、背中や胸が多いとされますが、足や手の場合もあります。
原因が分からないために治療法も確立したものはなく、ステロイドで免疫を抑えることが唯一の手段となります。数年で自然に治るケースもあるとされます。
しかしながらステロイドを長期に使うことに抵抗がある方も多いでしょうし、抜本的な対策にはなりません。命にかかわることはありませんが、外見的に気になる疾患ではありますので、ぜひ漢方的な対策を考えてみましょう。
さて限局性強皮症の特徴である皮膚の硬化は、「血」の状態の低下が原因であると考える形が一般的です。「血」は皮膚に潤いをもたらします。その「血」の質が今一歩で、流れが悪いといった要素が一つの原因となってると思われます。特に若い女性に多いということで、「血」を豊富に使う年齢であることと一致します。
よって皮膚の「血」の状態を改善する漢方薬として「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」や「温清飲(うんせいいん)」などがお勧めの漢方処方となります。
またスキンケアも重要となり、「セ・サージ」などの血行促進、保湿効果に優れたクリームなどが有効でしょう。
ただし皮膚の状態だけにとらわれず、全身の中医学的な診立てをもとに漢方薬を検討していくべきです。同じ限局性強皮症であっても合うお薬は人それぞれ異なります。漢方専門薬局でゆっくりと相談をしてから服用を始めましょう。
限局性強皮症が起こる理由として、身体の中の何かバランスの乱れが関与しているはずです。強皮症症状も身体からの一つの信号と考え、しっかりと対処をしましょう。