黒皮症漢方.jpg黒皮症は、リール黒皮症、色素沈着型接触皮膚炎、女子黒皮症などとも呼ばれる皮膚病です。その名の通り、皮膚が黒くなります。男性にも起きますが、女性に多く、美容面で非常にショックとなる症状です。
黒皮症は接触皮膚炎をきっかけとして生じるとされます。接触性皮膚炎については以前にコラムに書いた通りなのですが、黒皮症の場合には化粧品が原因(主にタール色素)とほぼはっきりしています。最初は赤みや違和感、痒みなどが生じる程度ですが、それを繰り返すとシミになってきて、最後には色素沈着が起こってしまいます。
黒皮症の色素沈着は皮膚の下層の真皮にまで及ぶとされ、改善が難しい側面があります。とはいえ、人間の皮膚には修復機能が備わっています。まずは接触皮膚炎の原因を断ち、その後も根気よく対応していけばきっとよくなっていきます。悲観し過ぎずに、きっとよくなると信じてやっていきましょう。
ちなみに化粧品に関して、原因物質がすべて特定できたわけではありません。また、同じ化粧品を使っていても、全く症状が出ない方もいれば、黒皮症になる方もいっらしゃるのが現状です。お化粧は女性の身だしなみとなっていることは否定しませんが、どれだけ品質の良い商品を使っていても、皮膚の負担になっていることは間違いありません。少なくとも、宣伝文句や金額の安さにつられて化粧品を選ぶことは避け、むやみに種類を変えるのではなく、自然成分が多い商品を選ぶことが出来ると良いのかなと感じます。
さて黒皮症の漢方的な対応方法ですが、まず原則は「お血(血行不良)」対策です。「黒ずむ」という症状は「お血」の典型的な特徴です。「清営顆粒(せいえいかりゅう)」や「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」などの「活血」の処方を使って、「お血」体質の改善を目指しましょう。
そして「お血」を引き起こす原因となるのが、ストレスや運動不足です。黒皮症は非常に辛い症状ですが、考え過ぎても逆にストレスで症状が悪化しかねません。運動でストレスを発散できれば一番ですね。
さらには血行をよくするネギ類や酢の物などは積極的に摂ると良いと思います。
その他にも、黒皮症を一種のアレルギーと考えると、”風熱”と呼ばれる体質の存在も考えられます。基本は「お血」対策で良いと思いますが、しっかりと漢方相談をしたうえで、服用する漢方薬を決めていきましょう。
ちなみに、黒皮症は、ナイロン質のタオルなどで皮膚をこすることによっても発生するとされます。この場合は背中が多いのですが、ナイロン製ではなくとも顔をこすり過ぎる、洗いすぎることもマイナスのように感じます。
ある漢方の中国人の先生が「日本人は顔を洗いすぎる」と言っていましたが、黒皮症も顔の洗いすぎが一因になっているのかもしれません。あまり刺激を与えないようにした方が良いですね。