アテローマは言うなれば、皮膚にできる良性の腫瘍。粉瘤とも呼ばれます。顔や背中などに生じやすく、”しこり”と呼ばれることも多いでしょう。ニキビが皮膚の中に落ち込んで出来たような状態です。
良性ですから、大きな全身的な健康トラブルにつながることは無いのですが、大きくなると痛みが出る場合もありますし、やはり顔に出るなどすると気になるものです。まれな病気ではありませんし、過度に心配する必要はないのですが、治せるものであれば治したい症状であることは間違いのないところです。
そもそもアテローマは、皮膚の表面部分の「表皮」が皮膚の中に袋を形成してしまうことによって生じます。その袋の中に不要物がたまって、アテローマが成長していきます。
なぜこのようなことが起こるのか、原因は分かっていません。
アテローマは細菌が繁殖すると痛むので、切開処理をして膿みを出します。菌の増殖を抑えるために抗生物質で治療することもあるでしょう。
しかしアテローマの本体を切除してしまわないと、再発をしてしまうケースが多いようです。手術となり、傷跡が残るケースも多いため、ためらわれる方も多いかもしれませんが、根本的に治すことを考えると良いかと思います。
さて前述の通り、発生原因が明確に分かっていないアテローマを予防する方法は医学的にはありません。出来やすい方は「体質」と説明され、「しょうがない」と言われてしまうケースが多いでしょう。
アテローマの発生・再発を防ぐ方法として、「規則正しい生活」などが言われている通り、免疫力の低下が発生に関与している可能性が考えられます。よって、漢方的な対処で体のバランスを保つことが予防につながると言えます。
また、アテローマの性質上、「不要物」が貯まっているという部分を考え、体の代謝を促すことも一つの方策と思われます。
アテローマは自然に小さくなることは無いとされている通り、出来てしまってからは漢方での対策も難しいように感じます。しかし、上記のように再発防止などの対策をとることは可能です。医学的には「体質」は治らないのかもしれませんが、漢方的には「体質」は改善可能です。悩んでいる方は漢方を試してみましょう。
具体的にはアテローマには「痰湿」が絡んでいることが多いように感じます。「痰湿」とは余分な水分が固まった状態のこと。そして「お血」と呼ばれる血行不良が関係しているケースもあるでしょう。
よって「痰湿」を除去する「温胆湯(うんたんとう)」と「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」などの血行を改善する処方が候補となってきます。ちなみに「いぼ」に良いとされる「ヨクイニン(ハトムギ)」も「痰湿」除去のために悪くはないと思いますが、効くとしても穏やかなイメージがあります。
「痰湿」や「お血」の発生原因はストレスや食べ過ぎが多いため、生活習慣の改善も考えつつ、漢方薬局における相談をしっかりと行って体質判断をしたうえで、その改善を試みましょう。
アテローマ
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