黄疸・肌が黄色い.jpg肌が黄色くなる黄疸。肝臓が悪い時に起こる症状であることは知っている方も多いことでしょう。
黄疸は血中にビリルビンが増えることによって起こります。その増加要因は肝臓疾患に限らず様々であり、溶血性の貧血や結石などに伴う胆汁の流れの阻害などによっても生じます。そして体質的黄疸と呼ばれる病気もあり、これは遺伝性疾患に分類されます。
また、黄疸と診断されなくとも、慢性的に肌が黄色いことを気にしている方も多いのではないでしょうか。やはり美容面で考えても、肌が黄色く見える状態は何とか改善したいと考えても無理はありません。
日本人は黄色人種ですから、黄疸が出ているかどうかの判断はすぐには出来ません。判断基準は、眼の白目の部分を見て行いますが、特に急に黄疸が生じた場合などは速やかに医師の診察を受けるべきでしょう。
しかし黄疸の治療は肝炎など原因が明確であったり、外科的な治療が適用となるケース以外では、治療法が確立されているとは言えないようです。ましてや肌が黄色い状態では医学的対処方法はないと考えても良いと思います。
このような時に考えられる対策としては漢方があります。漢方では肌が黄色い状態を原則として「気虚」と考えます。「気虚」とは体を動かすエネルギー源である「気」が不足した状態のこと。黄疸に伴う症状として、疲労倦怠感があることが知られていますが、まさに「気虚」状態であることに他なりません。
よって、肌が黄色いことにお悩みの方は「気」を補うとされる漢方薬の服用を検討してみても良いのではないでしょうか。もちろん「気」を補うとされる漢方処方はたくさんありますので、その方に合わせた対処が必要です。具体的には滋養強壮に使用される「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」や「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などが挙げられるように思います。
なお黄疸に良い漢方として「いんちん五苓散」が知られています。この漢方は「湿熱」を取り除くタイプの漢方薬であり、黄疸にも良いケースもあれば、合わない場合もあると考えられます。やはり体質判断の元に漢方を服用頂くと良いでしょう。
【参考資料;今日の治療指針(医学書院)】