目の下のクマは目立つために、男性女性問わず、気にしている方も多いことでしょう。相手に対して疲れた印象を与えてしまうこともあり、皮膚病とは言えないかもしれませんが、避けたい皮膚の状態の一つです。
徹夜の後に現れる一時的なクマであれば、体を休めることで改善できると考えられますが、慢性的に出来ているとなると、これは体質面での何か対策が必要と思われます。お化粧で隠すだけでは根本的な解決になりませんし、美容外科での治療や、マッサージでも一時的な回復にしかならないのではないでしょうか。またクマ自体は通常痛くも痒くもなく直接的な問題はありませんが、体の中のバランスの乱れがあるからこそ起こっている現象とも言えます。よって大きな病気へとつながる可能性もゼロではありません。ぜひ漢方的な考え方を用いての対策を考えてみましょう。
さて漢方的な観点から目の下のクマを考えると、「おけつ」体質をまず最初に考慮します。「おけつ」は血行不良であり、不要物質の蓄積につながるため、皮膚が黒ずむ要因になると捉えるのです。肩こりや頭痛がひどかったり、女性では生理痛や生理時の塊が見られる場合は「おけつ」である可能性が高いでしょう。
また目は「肝」との関係が深いことから、「肝」の働きに重要な「血」が不足している可能性も考えられます。「血」は目の使い過ぎやストレスによっても消耗するとされます。この「血」不足が原因となり、「おけつ」が生じることもあるため、「血」が満ちた状態を保つことが重要です。
具体的には「おけつ」改善の力が最も強い「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」と、「血」を補う作用を持つ「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」が、目の下のクマを治すためにもっともよく使われる漢方薬と言えそうです。これらの漢方で「血」がサラサラに豊富に流れることが、目の下のクマ改善ばかりか、体全体の健康につながることでしょう。
とはいえ、「おけつ」が発生する要因は様々であり、「気」の問題等が隠れていることもあります。体質判断をしっかりと行い、服用する漢方薬を決める必要があります。
また生活面では「血」の流れを良くするために運動を心がけて、目の使い過ぎに注意をしてみましょう。血液をサラサラにすると言われる青魚や酢のものなどもお勧めです。そして睡眠は十分に取ることが大切です。
気になる目の下のクマにおさらばするため、漢方の考えを上手に取り入れてみて下さいね。