小児ヒステリー・多動性障害と漢方.jpg小児ヒステリーや、注意欠陥・多動性障害は近年増えていると言われています。小児ヒステリーに関しては外傷経験など外的な要因が多いとされますが、多動性障害に関してはドーパミン神経障害が原因であると言われています。「病気」ですから、親はそのことを十分に理解しながら接することが必要となってきます。
具体的には、
☆手足をそわそわ動かす
☆いきなり走り回ったり、高い場所に登ったりする
☆順番を待つことが出来ない
☆以前に経験したことを覚えていない
☆幻聴や幻視
☆急に大声を出したり、いつまでもしゃべっていたりする
などの症状が続く場合には病院で診察を受けた方が良いでしょう。
これらの病気には程度があり、あまりにも重症の場合には親だけがすべての負担を負うのではなく、助けを借りる必要があると思います。「コンサータ」というお薬もありますので、医師等に良く相談して対処方法を考えましょう。
しかし軽度の場合であっても重度であっても確立した対処方法がない現況では、漢方薬の服用を考慮しても良いように思います。多かれ少なかれ、子供には「落ち着きがない」点があるもので、成長とともに収まっていく場合もあるでしょう。しかしそれまで親を始め、周りに負担が掛かり過ぎてしまうようであれば何らかの対処をしたいところです。その手助けになる可能性があるのが漢方薬と考えます。
一般的にヒステリーなど上記のような症状が起こる場合には「心神不安」と中医学で呼ばれる体質があると考えます。「心」の中にある「神」がぐらついてしまい、「不安感」等を引き起こすのです。また「心」と関係が深い「血」には精神活動の栄養源の役割があるとされ、その不足が「情緒不安定」を引き起こすという考え方もあります。
その他様々な状況を考え合わせて体質を判断し、適切なお薬を選択することが必要です。具体的には「安神薬」であったり「補血薬」と呼ばれる漢方が合っている場合が多く、「帰脾湯(きひとう)」や「甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)」などが代表的な処方となるでしょう。
また生活のリズムを整え、睡眠を適切な時間に取ることは、やはり重要です。食生活も中医学の考えを取り入れることが出来ると良いでしょう。コムギやユリ根、モチゴメなどが「心」の安定につながるとされています。