「なぜ私の子供は朝いつも寝起きが悪いのだろう」と悩んでいるお母さんは多いものです。学校に行きたくないからわざとぐずっていると考えがちですが、「起立性調節障害」という病気かもしれません。この病気は自律神経失調症の一種とされ、「朝起きられない」「立ちくらみやめまいが多い」「動くと動悸や息切れがする」といった症状を特徴とします。学校が休みの日も朝起きられず、午前中はいつも調子が悪いようであれば、心の問題より体の問題と考えた方が良いかも知れません。
ただこの病気には程度があり、重症であれば登校拒否などにつながりやすいため薬物療法などが必要なこともありますが、そこまでではない時には生活習慣の改善や漢方薬の服用で十分対処できます。
本人も「なぜ起きれないのだろう」と悩んでいることも多いですから、病気であると親が理解してサポートしてあげることが重要であると思います。
また「起立性調節障害」の傾向がある子供は顔色が悪かったり、胃腸が弱かったり、疲れやすいという特徴もあります。このような症状の改善にも漢方は役に立ちますので、子供が生き生きと活発に過ごすことが出来るようになるでしょう。
さて漢方で「朝起きられない」という症状を考えた場合には、まず「気」の不足と捉えます。「気」とはエネルギーのことですから、簡単に言えばパワー不足です。朝は本来”陽気”が増していく時間帯ですが、体内に「気」が不足していれば、その上昇に追いつかず体が言うことをききません。
それでも少しずつ「気」は高まっていきますから、夕方ぐらいにようやく人並みに「気」が満ちて元気になってくるという訳です。
よって「気」を増やすお薬である「補中益気丸(ほちゅうえっきがん)」を使用すると体に余裕が生まれ、段々と朝も起きやすくなってくるでしょう。
まためまいが多い場合などは「血」の不足も考えられます。その場合には「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」などを併用すると良い場合もありますが、いずれにせよ体質に合わせてお薬を適切に選択していく必要があります。しっかりと体質判断を下すことが出来る漢方専門薬局を選びましょう。
なお「気」の不足に対して生活養生をすることも重要です。やはり早寝は重要ですし、バランスの取れた食事も必須です。特に「気」を増す食べ物とされる根菜類やお肉類は、お腹への負担を考えつつ、積極的に摂ると良いでしょう。
朝起きられない子供に漢方を
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