川崎病 漢方.jpgまず最初にお断りをしておきますが、私は川崎病の子供を実際に見たことがありません。その上で書物などを参考にしてこの記事を書いていますことをご了解いただければと思います。
さて先日、川崎病の原因が細菌の複合感染である可能性が高いとの記事が掲載されました。難病とされるこの病気の治療に光が射したことを喜ばしく感じます。この結果は適切な抗生物質を使用すれば治ることを示唆しますが、原因菌が完全に特定されたわけではない上に、病気発症の仕組みも分かっておらず、まだまだ検討の余地がたくさんあります。しかしこの病気に関しては、その症状を見ると漢方薬が効果的である可能性が高いのではないかという印象が強く、西洋医学的な治療法が確立されるまではまだまだ役に立つ場面があるのではないかと感じています。よってここでは特徴的な症状から考えた、適切と思われる漢方薬を考察していきたいと考えます。
川崎病は全身血管炎です。心臓の冠動脈を侵し、死に至ることもある小児がかかる怖い病気の一つです。特徴的な症状は以下の6点が挙げられています。
1、5日間以上の発熱
2、眼の充血
3、口の中に発赤
4、首のリンパ節の腫れ
5、発疹
6、手足の赤い斑点むくみ
関連して、BCGの接種跡が赤くなるなどの特徴もあります。
急性期の治療方法は免疫グロブリンの大量療法に加え、血栓防止のためにアスピリンなどを服用します。
問題は川崎病と診断される前や心血管に問題が無く手術などを行わない場合です。上記の症状は漢方的には例外なく”熱”の症状であり、”清熱”薬が治療に用いることが出来ると考えられます。具体的には「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」や「五行草(ごぎょうそう)」、「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」などです。ちなみに熊本県の小児科医の先生はHP上で「黄連解毒湯は非常に良く効くケースがある」と述べています。
https://blog.m3.com/syumi-syounikai/20071231/2
また急性期以後については、心血管に負担がかかりにくくするために穏やかな「活血薬(血行を良くする薬)」を服用すると良いように感じます。
参考資料;今日の治療指針(医学書院)