「子供にも花粉症はあるの?」と考えている方も多いと思いますが、2,3歳で花粉症らしき症状を訴える子が増えてきているようです。花粉症もアレルギーの一種。アレルギー体質の子供が増えている現状から、花粉症の子供が増えても何らおかしくはありません。
アレルギーが増えている原因としては、食生活の変化やキレイ過ぎる環境などが挙げられていますが、定かではありません。複合的な要因に依って起こっている現象と思われますので、アレルギー対策をする場合には、どれか一つに固執せずに、様々な観点から出来る範囲で対処をしてみましょう。
子供の花粉症は、見ていても辛いものです。大人であれば鼻をかんだり、マスクをしたり、目薬をさしたり、臨機応変に多少の対応が出来ますが、小さい子供の場合にはそれもままなりませんから、辛い状況のままとなってしまうことも多いでしょう。そして、目をこすり過ぎて、ひどい炎症を起こしてしまったり、睡眠に影響を及ぼすこともあります。
また、この体質が今から一生続くかもしれないと考え、かわいそうに感じてしまうご両親も多いことでしょう。
最近では花粉症に対する良い西洋薬も多くなってきており、あまりにも症状がひどい時にはそれで抑えると言う手もあります。しかし、西洋薬で良くならない場合、また西洋薬を子供に使うことに抵抗を感じる場合、さらには長期的な観点で花粉症体質改善を目指したい場合などには漢方が有効となります。
子供の花粉症の場合、一番多い症状は目の痒みであると感じます。そしてその次が鼻づまりではないでしょうか。また喉の痒みも多いように思います。
これは漢方的には、子供が”熱”体質が多いということに関係しているように感じます。
目や喉の痒みは、患部に炎症が生じて赤くなっていることを示唆します。これは漢方的には紛れもなく”熱”の症状です。そして鼻づまりに関しても、炎症が関与して鼻の通りが悪くなっていることが多いでしょう。
よって、この場合には”熱”を冷ます漢方薬が有効となります。「涼解楽(りょうかいらく)」もしくは「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」が良く効く場合が多く、さらには「越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)」や「香菊花(しゃんきくか)」「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」などが合うケースもあります。どれも体の”熱”を冷ます作用を持つ点が特徴です。飲んですぐに症状が軽減する場合がほとんどです。
逆に花粉症に良く用いられる「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」は体を温める処方のため、合わないケースも多いでしょう。
一方で花粉症の予防対策として有効なお薬と言えば「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」が挙げられます。体の防御力を高めるお薬ですから、アレルギー体質全般の改善にも有効でしょう。ただし、このお薬は体を温める作用を持つため、場合によっては「参苓白朮散(じんれいびゃくじゅつさん)」などの漢方を使った方が良い場合も考えられます。また、当然のことながら体質改善のためには、ある程度の時間が必要です。根気強く続けていくことが重要となります。
いずれにせよ、漢方薬を子供に服用させる場合には専門家による診立てが必須です。「漢方薬は安全だから」と安易に飲ませず、子供だからこそしっかりと体質にあったお薬を選択しましょう。
子供の花粉症は漢方で
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