顔色は子供の体調を推し測る、とても重要な指標の一つですよね。子供の顔を毎日見ているお父さん、お母さんは顔色が少し変化したことにも敏感に気づくことでしょう。
ただ顔色の判断は主観的な部分が大きいため、ちょっとした変化で右往左往してしまうというのも考えものです。厳密にはその日の天候や時間によっても色の見え方は異なります。体温をはじめ、その他の症状、訴えなどを総合的に見て、病院への受診や薬の服用の必要性を考えると良いと思います。
とは言え、漢方にも「望診」と呼ばれる、顔色を体質判断の指標とする理論があります。「望診」は顔色だけでなく、体全体のありとあらゆる部分を見るとともに、その雰囲気を感じ取ることによって、その方の体質を見極めていきます。この場合にも総合的に判断することが大事であり、顔色だけで何かを決めつけるわけではないのですよね。それでも「顔」には非常にたくさんの情報が詰まっていますので、重要な判断材料となることは間違いありません。
そして、顔色の考え方は漢方の五行説と関係します。
★顔色が赤い…「心」が乱れていると考えます。また赤が強い場合には漢方的な「熱」が強いと考えられます。
★顔色が黄色い…一般的に顔色が悪いとされる時は、黄色のことが多いように思います。「脾」すなわち胃腸系が弱っていると考えます。
★顔色が白い…「肺」すなわち呼吸器系が良くないと考えます。冷えて、いかにも元気がなさそうに見えることでしょう。
★顔色が黒い…「腎」いわゆる生命力が落ちてきている時に起きると考えます。
★顔色が青い…冷えが入ったり、血行が悪いと青く見えるようなこともありますが、五行学説的には「肝」が悪い時に見られる顔色とされます。
もちろん原色のような鮮やかな色ではありませんから、何となくいつもより白っぽいとか、青みがかっているように見えるなど、その程度かもしれません。それでもそのなんとなく感じる色からどの部分が弱っているのかを推し測る参考にはなると思います。特に子供の場合は言葉が上手く伝わらない場合も多いため、貴重な情報源となります。
上記のうちで慢性的に子供の顔色が良くないというケースのほとんどが黄色ではないかと考えます。すなわち胃腸系の悪さです。この場合には胃腸系の弱さを改善する漢方薬である「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などを服用すると顔色も次第に良くなっていくことでしょう。
なお、もう一つの考え方として、「心の華は面にある」という言葉があります。これは五臓の「心」の状態は「面」すなわち顔に現れるという意味合いです。心臓の循環が悪い場合なども、顔色が青紫色に近くなりますので、この場合にはすぐに病院へ行くようにしましょう。
子供の顔色が悪い
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「抑肝散の是非」