子供の口周囲炎.jpg唇のまわりが泥棒のひげのように赤くなっている子供を見たことありませんか?私が幼い頃、そのような症状の友達がいたように記憶していて「なんだろう?」と思っていた記憶があります。子供心にあまりそのことに触れないようにしていましたが、慢性化していたように思います。
赤ちゃんや子供は口の周りを汚してしまうのは必然で、その食べかすが刺激になり、敏感な口周りの皮膚に炎症を起こしているケースもあると思います。一度炎症が起こると気になりだし、舌で舐めてしまい、より乾燥が進むこともあるように感じます。このような経過の場合には、物理的な要因も大きいため、刺激の少ないクリーム等でこまめにスキンケアをし、子供に根気よく口の周りを舐めないように教えていくしかないかもしれません。
一方で上記のような癖がない子で、慢性化した口の周囲の赤い炎症は体質が関係している可能性があると考えます。漢方的に考えると子供は「熱」をとても生みやすい体質を持ちます。そして口の周囲は脾胃すなわち消化器系統と関係します。よって、口の周りの赤さは、胃腸に「熱」がこもって生じていると考えることが出来るのです。
この場合には、口内炎も出来やすく、口臭がしたり、どちらかといえばイライラし、便は固く、尿は黄色い傾向があるかもしれません。これらはすべて「熱」症状であり、口の周囲炎と関係していると考えます。
このような場合には、まず胃腸を休めることが大切です。食べ過ぎに気をつけ、特にお菓子は極力控えた方が良いでしょう。そして便秘はよくないので、野菜を多く摂るなどして工夫したいですね。とはいえ便秘対策として考えがちな乳製品も消化が良いとは言えないので、あまりお勧めできません。
また「熱」があるので冷たいものを摂りたがるかもしれませんが、これは逆に潤いを奪うことにつながりかねないので、出来る限り常温に近い飲料としたいですね。
とはいえ、なかなか子供の習慣を変えることは難しいもの。このような時には漢方を考えてみましょう。「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」など口内炎にも使えるような漢方薬や、漢方の消化剤としても有名な「晶三仙(しょうさんせん)」などが合うケースが多いと思います。
冒頭にも書きましたが、口の周りの赤みはやはり目立ってしまいます。当人は気にしてないこともあるかもしれませんが、何か対策を考えたいところですね。