どちらかといえば口臭と言えば大人のおじさんがイメージされますが、女性にも、そして子供にも口臭はあります。子供が自分の口臭を気にすることはあまりないかもしれませんが、毎日会話をするお父さんお母さんであれば、「うん?今日は臭うな」と感じた経験はあるのではないでしょうか。もちろん歯磨きをしっかりと行っているかどうかに関わりはなく、口臭は起こります。
もちろん、長時間続き、家族が毎日のように不快に感じる口臭であれば問題ですが、子供の口臭は一時的なことが多いと思われます。何回も「くさい」と言われることでストレスに感じてしまう子供もいますので、あまり指摘しないようにした方がいいかもしれません。
しかし前述したような、臭いがとてもきつい場合や、起床時だけでなく、食前食後問わずに、毎日口臭が感じられるケースは対策が必要です。このような場合には必ず原因があり、それは体のバランスの崩れを表します。口臭ケアのうがい薬を使ったり、舌を磨いて多少臭いが和らいでも根本解決にはなりませんので、ぜひ体質からの改善を考えてみて下さい。
さて子供の口臭を中医学で考えた場合、ほとんどが胃腸が弱いために「胃熱」が生じて起こっています。子供は胃腸が未発達であり、いわゆる「脾虚(胃腸機能の低下状態)」が多いのですが、「たくさん食べなさい」と言われて食事の量を必要以上に多く摂ってしまっていたり、お菓子を常食していたりすると「胃熱」と呼ばれる状態になります。そうなると食欲が亢進し、よく食べるようになりますが、これがさらなる「熱」過剰状態を生み出し、唾液の減少につながり、口臭となってしまいます。
この場合には「脾虚」のケアをしながら、「胃熱」を除くために、「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」や「星火健脾散(せいかけんぴさん)」などの漢方薬を服用すると良いと考えます。
また、起床時の口臭については、鼻づまりで口呼吸となっての唾液不足の可能性が考えられます。この場合には、鼻づまり対策を優先すべきでしょう。
そして便秘がひどい場合にも、その対処を優先すべきと考えます。
いずれにしても気になる時には、漢方の専門家による体質判断が必要です。子供の口臭も何かしらの身体の変調とらえ、早めに漢方で対処できるといいですね。