ペットと漢方.jpgてんかん持ちのワンちゃんが最近増えているようです。私の知人であるシンシア動物病院の坂本真紀獣医師によると、希少犬種や人気犬種にてんかん持ちの子が多い傾向があるとのことです。理由は定かではありませんが、遺伝的に無理があるブリーディングの結果かもしれませんし、そのような犬種は比較的過保護の状態で育っていることが多いという、生活環境の問題も考えられます。
理由はいかにせよ、てんかん発作がたびたび起きると見ている飼い主さんは不安になりますし、もちろんワンちゃんにとっても負担となります。西洋医学では根本的な対策が難しいとされているてんかんですが、ワンちゃんからの無言のSOSサインと考えて、漢方的な対処を考えてはいかがでしょうか。
小児てんかん」のコラムでも書きましたが、中医学ではてんかんを主に「肝」の病気と考えます。中医学で「肝」は自律神経の機能を担い、いわゆるストレスとも関係する器官とされています。
よってこの「肝」の機能が上手く働かないと、自律神経失調症と呼ばれる各種の症状が起きやすくなるのです。そして、てんかんも神経の病気であり、「肝」の機能失調を疑います。
よって「肝」をケアするお薬である「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」や「抑肝散(よくかんさん)」などの服用を検討して、てんかん体質の改善を目指していきます。
養生としては、出来るだけストレスを避けるための工夫も行うと良いと思います。散歩をしたり、遊ぶ機会を作ってあげたりすることが大切です。また、お部屋に”お香”をたいたり、ワンちゃんが自然にリラックス出来る環境があるとなお良いですね。
ただし「肝」の原因でないてんかんもあるため、その見極めが必要です。せっかく漢方を服用するのでしたら、漢方に詳しい専門家に相談してから始めてみて下さい。