中国漢方(中医学)では、舌を見ることによって、その人の体質を推測します。初めてそのことを知った方は大抵驚かれますが、舌診(ぜっしん;舌を見ることによる診断方法)は、体の状態を知る上で非常に重要な判断基準なのです。ある程度の知識があれば手軽に自分の健康状態を知ることが出来、痛くも痒くもない非常に優れた方法だと思います。ぜひ中医学の優れた技術をみなさんも学んでみて下さい。
まず、健康で一番良い舌はピンク色で、表面の”コケ”が薄く白く付いている状態です。専門的には「淡紅色」「薄白苔(はくはくたい)」の舌と言います。なかなか言葉では表現しにくいので、もし近くに子供がいれば、その子の舌を見て下さい(一番良いのは3歳前後の子)。大体それが理想的な舌の状態です。
その正常な舌と比較して、舌の色が赤い状態であれば、原則として体に”熱”があると捉えます。これは漢方でいう”熱”であり、一般的な”発熱”とは違います。
また舌の色が白く淡い色の状態であれば、体は”寒”の状態であると考えます。
まずこの大原則を知れば、あなたが”寒”タイプか”熱”タイプか予想することができるでしょう。
またコケが表面上に厚く付いている場合は体の中に”湿”がたまっている状態であり、「食べ過ぎ、飲み過ぎ」か「胃腸機能低下」で、体に水分が溢れていることを示唆します。
逆にコケが全くなく、表面に亀裂が見えるような時は体に必要な体液が不足している状態で、体がカラカラであることを示します。
さらに舌の大きさ、舌先の色、歯型の有無などによって総合的な判断をします。
なお、よく舌にべっとりとコケが付いていると口臭の原因になるからと歯ブラシなどで取る方がいますが、体の中から「コケの発生原因」を取り除かないと、いつまでも磨かなくてはならなくなります。またその体質を放置しても口臭の根本的な解決になりません。ぜひ中医学の考え方で改善を図ってみて下さい。
舌の状態は長年の生活環境によって築かれた”体質”を示していますので、そう簡単に変えることは出来ない場合もあります。しかしこれからの養生によっては、3歳児のキレイな舌に近づくことも不可能ではありません。そしてそれが結果的にカラダの若返りにもつながっていくのです。
舌を見て知る、自分にあった養生法
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