中医学の五行学説において秋は五臓の一つの「肺」グループに属します。これは、秋に「肺」すなわち呼吸器系の疾患が多くなることを意味します。そして同様に「鼻」も同じグループです。よって下記の疾患が秋には悪化しやすいとされます。
★アレルギー性鼻炎
★副鼻腔炎
★喘息
意外に秋にも花粉症の症状を訴える方も多いように感じます。イネやブタクサなど、この時期に飛散が増える植物アレルギーである可能性が高いとはいえ、上記のように鼻の症状が出やすい季節と言うことも関係しているかもしれません。
この中でも特に注意したいのが、喘息をお持ちの方です。秋には咳が治まりにくくなったり、発作が長引いたりする傾向が出てくるかもしれません。咳が続くと体力を消耗してしまいます。また、ひどい場合には睡眠に影響を与え、不眠にもつながっていきます。特に高齢の方は咳対策を万全にして、秋を迎えることが出来るといいですね。
「肺」や「鼻」のことを考えた上で、秋に積極的に摂りたい食材といえば、梨やビワ、レンコン、ギンナンなどです。特にギンナンは咳を抑える力が強いとされます(ただし毒性があるとされるので、摂り過ぎはいけません)。
その他、原則として”潤す”作用を持つ食材がお勧めの季節です。
さて漢方薬ではどうでしょうか。手頃なところでいえば「潤肺糖漿(じゅんぱいとうしょう)」が挙げられます。この漢方薬には肺を潤す生薬がたくさん入っていますので、空咳やノドの乾燥感が強い時にはお勧めです。もちろん、呼吸器系が弱い体質の方は、特に今症状が無くても予防の意味で秋の間は服用する、というような使い方も悪くありません。
また、体の深い部分からの潤いをもたらす漢方と言えば「八仙丸(はっせんがん)」が挙げられます。「肺」だけでなく「腎」もケアできるお薬ですから、やや年配の方の空咳などでは必須の処方となります。
そして最近発売された「百潤露(ひゃくじゅんろ)」は、まさに潤いをもたらす代表的な生薬が選りすぐられた処方内容になっています。百合(びゃくごう)という生薬を始め、「肺」を潤す生薬の作用で空咳などの症状はもちろんのこと、ドライアイやドライマウスなどにも使用できます。これも常日頃から服用することによって、体に潤いをもたらす効果が期待出来ます。秋にはもってこいの商品と言えそうです。
秋と肺と鼻
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「キノコのはなし」