漢方と言えば、漢方薬だけでなく、鍼灸という治療も存在します。私は鍼灸に関しては専門では無く、あまり詳しいとは言えません。漢方(中医学)全般に言えることですが、鍼灸はより奥が深く哲学的な部分もあり、一般的には理解しがたい面があることも事実です。現代医学ではなかなか証明の難しい治療法ではありますし、信じていない方も多いかも分かりませんが、古くからの学問として確立されているという現実を軽視してはいけないのではないでしょうか。簡単なところからでも構わないので、ぜひ覚えてみましょう。
ツボは正式には経穴(けいけつ)と言います。人間の体の中を巡っている経絡(けいらく;神経のようなもの)が集中し、体の表面に近い部分まで出てきている部分を指します。ツボを刺激することに依り、経絡の流れが改善し、五臓六腑や気血水の状態が整うこととなり、様々な症状の軽減つながるのです。
経穴は361あります。その全てを把握することは難しいので、今回は雑誌やインターネットなどでも目にすることの多いツボを紹介してみます。詳しく場所を紹介するためには図がないと難しいのですが、出来る限り分かりやすく位置を表現しますので、参考にしてみて下さい。
☆合谷(ごうこく)…手の親指と人差し指との付け根にあるツボです。効能は「去風(きょふう)=風の邪(ふうのじゃ)を取り除く」、「理気(りき)=気を巡らす」などとされます。具体的には痛みやストレスによる肩こりなどに効果があるとされます。押しやすい場所にあるので、パソコン作業で目が疲れた合い間に、数秒間揉んでみるだけでも良いと思いますよ。
☆三陰交(さんいんこう)…足の陰経の3つ、脾経、肝経、腎経が交わる場所とされます。足のくるぶしから上、指四本分の場所にあるくぼみにあるツボです。「養血=血を補う」「補気=気を補う」作用などがあるとされ、婦人科系疾患にも有効なケースが多いツボの一つです。
☆命門(めいもん)…命の門ですから、名前が非常に重いですよね。確かに「補腎陽=腎(生命力)の陽を補う」作用や「補腎気=腎の気(パワー)を補う」作用があり、人間の根本的な活動を支えている部分と関係があるツボです。場所はおへそのちょうど真裏の背骨と背骨の間にあります。腰が痛い方なんかは自然と押しているケースも多いようです。冷えが強く、不妊治療中の方にも良いツボです。
今回はわずか3つの経絡の紹介になってしまいましたが、この3つは幅広い症状に使えるツボでもあります。ぜひ覚えておきましょう。
ちなみにツボは基本的に押さえると気持ちがいい部分です。上記で紹介したツボ以外でも、何となく押すと体が楽になったり気持ちが良いという場所があれば、ご自身でどんどんと押してみてもいいと思います。しかし、ツボを学ぶと「えっ、この部分がこんなに気持ちいいのか!」という驚きの場所も見つかるかも知れませんよ。
ツボの話
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