植物の力が詰まっているタネ。最初はとても小さなタネであるのに、大きく大きく育っていきます。そこには生命の源があると言っても良いのではないでしょうか。科学的には証明出来なくとも、タネにはずっしりとパワーが蓄えられているのではないかと思います。
そして人間はそのタネを食することによってパワーの恵みを頂いています。もちろん一番に挙げられるのがお米。日本人の身体はイネのタネが持つ力を元に作られていると言っても過言ではないかもしれません。
また、麦も豆類もタネであり、人間の主食となっています。人間はいまや植物のタネがなくては生きていけない状態ですよね。
一口にタネにパワーが詰まっていると言いますが、中医学的に考えると、そこには「精気」が存在するのではないかと考えます。「精気」とは言わば生命力であり、その力が根本となって生命の成長を支えていきます。タネを食することはイコールその力を身体に取り入れる事であり、人間が活動する力を与えてもらっているのだと考えられます。ありがたいことですね。
最近は米など主食の炭水化物を避ける方が良いという考えも耳にしますが、「精気」が詰まったタネを食べないと元気が無くなってしまうのではないか、と私は考えています。
さて、タネは漢方薬にも良く使われています。こちらは「精気」を持つものではありませんが、いくつか生薬をピックアップしてみましょう。
★ヨクイニン…ハトムギの種子。水はけを良くしたり、イボを除く作用があるとされます。
★決明子…マメ科のエビスグサの種子。名前の通り、目の充血を取ったり、お通じを良くします。
★ライフクシ…ダイコンの種子。お腹の調子を整えたり、咳を抑えるなどの作用を持ちます。
★麻子仁…アサの種子。お通じを改善します。
★蓮子…ハスの種子。安神作用と呼ばれる、リラックスの効果があります。
★桃仁…モモの種子。血行をよくする作用、お通じ改善の作用があるとされます。
★杏仁…アンズの種子。咳を鎮めたり、お通じ改善の効能を持ちます。
★韮子…ニラの種子。体を温めて、力を補います。
まだまだありますが、この辺りで。
お気づきかもしれませんが、名前の最後に「子」や「仁」が付く生薬は、タネであることがほとんどです。また、タネが持つ性質はその植物の食用部分にも弱いながらも似たような作用があることが多くなっています。生薬はなかなか使えなくても、上記を参考に食べ物の大まかな性質をつかんでみると良いと思います。
タネが持つパワー。ぎっしりと生命力が凝縮したその力を上手に取り入れて、健康に役立てたいものですね。
タネのパワー
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