すっかり用語として定着した感のあるメタボリックシンドローム。比較的新しい言葉ですが、いまだ廃れることはなく、今でも「メタボ」が会話の中でちょくちょくと出てきたりしますよね。これからどうなるかは分かりませんが、厚生労働省も注意喚起の啓蒙をしていたりと、本腰のようです。
厚生労働省のホームページによると、メタボリックシンドロームは「内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上をあわせもった状態」と記載されています。そもそもメタボリックシンドロームの略が「内臓脂肪症候群」ですから、大きなポイントは「内臓脂肪型肥満」となります。
そして、この内臓肥満度をチェックする基準が「腹囲」。お腹周りです。男性は85cm以上、女性は90cm以上になると、内臓脂肪が100平方センチメートルに値するという結果が出ているとのことです。プラスして、上記の血圧等の異常が二つ以上認められると「メタボ」になるという訳です。
医学的には「メタボ」対策には、運動、食事、禁煙、最後にクスリとうたっています。もちろん分かってはいるけれど…という方は多いはずです。運動や食事が理想通りとならないから「メタボ」になってしまうのであって、仕事や家事で忙しくて時間が取れなかったり、どうしても運動をする気にならない方などは解決は難しいのではないでしょうか。
個人的には、お腹周りが大きい方であっても、様々な漢方的原因が考えられ、一概に運動が良いとは言えない気がします。もちろん、誰にでも分かりやすく、指標を示していくことも大事なので、「メタボ」の考え方を否定するつもりはありませんが、やはり一人ひとりの状況に合わせた対策が必要ではないでしょうか。
ということであれば、カウンセリングを重視している、漢方薬局で相談をして頂くことが一番です。漢方的な考え方から養生も含めて対策を説明することが出来、「メタボ」相談にはもっとも適した場所のような気がします。「メタボ」はいわば「未病」です。病機の前段階である「未病」の治療は漢方の得意分野。「メタボ」の方は、体調について、必ず何かの兆候が出ているはずなので、その情報から理論に沿って対策を取ることが出来ます。
一般的には「メタボ」は「痰湿」タイプです。「痰湿」とは体の中にある不要物のことであり、この不要物が内臓脂肪と言えそうです。ただし、この「痰湿」が溜まるまでには理由があり、それが「気虚」であることが多いと考えます。
「気虚」とは体のパワー不足のことであり、特に胃腸系の弱さから代謝が低下して、「痰湿」が生じていくと考えるのです。
この場合には身体に「気」が不足しているため、疲れやすくなります。そうなると「気」を消耗する運動がかえって悪影響を及ぼすことも考えられます。このような場合には胃腸系がしっかりと動き出すための対策が必要となってきます。
「メタボ」の方は自覚があっても、まだ他人事のように考えている方もいらっしゃいます。「未病」ですが、一歩進むと危険な病気が発生する状態と心にとどめ、ぜひ長い目で見た対策を真剣に考えてみましょう。
メタボ対策
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