“髪の毛をシャワーした時に、洗面器に髪の毛がごっそり”
“朝起きた時に髪の毛がたくさん枕に付いている”
“髪の毛をすくだけで、ブラシに抜け毛がつく”
こんな症状はありませんか?
男女問わず、脱毛は気になるものです。毛髪の変化は、体の変化でもあります。その原因を漢方的に捉えることは可能で、上手に対処することにより抜け毛の心配を減らすことが出来るでしょう。「体質だから」とあきらめず、体からの何かしらの信号と考えて、漢方を試してみてはいかがでしょうか。
さて漢方で髪の毛は「血」の余りと定義されています。よって、体内のバランスが崩れて「血」の状態が悪化したために脱毛が起こると考えるのです。ただし最終的に「血」の不足等で毛が抜けたとしても、そこに至る過程というのは人それぞれです。よってその体質を見極めてお薬を選択する必要があるのです。これを飲めば毛がふさふさになる「毛生え薬」的な漢方薬は存在しません。
では大まかに原因別に毛が抜ける体質と、その対処法をみていきましょう。
●血虚(けっきょ)体質
女性の脱毛で一番多い原因が、この「血虚」体質だと思われます。「血虚とは」簡単にいえば「血」が足りない状況です。髪の毛は「血」の余りですから、「血」が足りなければ「髪」は生まれてきません。出産後や妊娠中に毛が抜けた方は、妊娠や出産、授乳で「血」を消耗したからに他なりません。
この場合には「血」を補うために「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」などのお薬を用います。
●肝気鬱結(かんきうっけつ)体質
ストレスなどによる急激な抜け毛はこのタイプでしょう。「肝」がストレスなどにより攻撃を受けると、体全体の巡りが悪くなり、髪の毛まで栄養が行きわたらず、毛が抜けます。毛が抜けるとさらに落ち込んで、悪循環となりやすいタイプです。
「加味逍遥散(かみしょうようさん)」「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」などを用いることがあるでしょ
う。
●湿熱(しつねつ)体質
男性に多いタイプです。もともと体に熱があるタイプは、その状態が継続すると頭頂部に熱がこもりやすくなり、その熱が毛穴をふさぐために毛が抜けてしまいます。どちらかというとエネルギッシュな男性に起きやすいタイプの抜け毛です。
「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」などを用います。
●腎虚(じんきょ)体質いわゆる老化現象が早く始まって抜け毛が起こっている状態です。白髪になるタイプと脱毛になるタイプがあります。このタイプが一番対処が難しいのですが、何もしなければ体全体の衰えも感じやすくなりますので、長い目で見て対処を考える必要があると思います。
「海馬補腎丸(かいばほじんがん)」などを用います。
なおご自身の体質チェックをして、適切な漢方薬をもう少し詳しく知りたいという方は、下記の「3分簡単漢方相談」のコーナーをご利用ください。
3分簡単漢方相談コーナー
髪の毛が抜ける時の漢方
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