レイノー病、レイノー現象は、寒さや精神的な緊張などをきっかけとして、手足の色が変化する病気です。血流が途絶えると皮膚の色は真っ白となり、血流がわずかにあれば青紫色になります。その後血流が回復すると、逆に皮膚が赤くなる場合もあります。
レイノー病の原因は不明な場合が多いのですが、膠原病と云う免疫疾患が隠れている場合もあります。何度もこのような症状が発生する場合には一度病院で検査を受けるべきでしょう。
レイノー病自体は、それほど心配が必要な病気ではなく、病院ではお薬を処方されない場合もあります。しかし本人にとって気になる症状であることは間違いありません。また中医学の考え方で言えば、未病(病気の前段階)とも呼べる状態ですから、体が発している一種の警告信号と考えて、早めの対策をお勧めします。
中医学でレイノー病は基本的に「お血(おけつ)」による疾患と考えます。「お血」とは血流が悪い状態を言います。血行不全が原因であるレイノー病はまさに「お血」の症状の一つでしょう。
ただし「お血」を引き起こす原因は多岐にわたります。「冷え」に依る場合もありますし、「気滞(きたい)」と言って、気の巡りが悪いことによって引き起こされる「お血」もあるのです。さらには「冷え」と「気滞」の両方が原因であるケースも多いように思います。
よって漢方では「冷え」と「気滞」を改善するお薬である「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」がレイノー病に適合する場合が多いでしょう。しかしこのお薬は「お血」に対しての専門薬ではないため、「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」と言った血行を良くする優れた作用を持つ漢方薬の併用が必要です。また「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」は、体を温めながら血行を改善するため、レイノー病対策に適する場合も多いでしょう。
さらには免疫疾患との関わりが推測される場合には「八味丸(はちみがん)」や「海馬補腎丸(かいばほじんがん)」などの薬も候補となってきます。
「レイノー病」の根本的な改善のためには、やや長い目で見てお薬を服用すべきと思います。そのためには体質をしっかりと見極めることが重要となりますので、ぜひ一度ゆっくりと漢方専門薬局でご相談ください。
レイノー病と漢方
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