茶オリ.jpg妊娠を望む方に限らず、女性にとって気になる現象の一つに茶オリがあります。生理についてはたくさんの情報がありますが、オリモノに関してはあまり多くなく、また他人と比べることもまず出来ないため、「自分は異常ではないか」と不安に思ったりするケースが多いのだと感じます。
しかしオリモノは女性の健康状態を示す「見える指標」でもあります。恥ずかしいという気持ちがあるかもしれませんが、自分の身体に耳をすますという意味でも、目を背けずに向き合ってみると良いと思います。
まずはじめに茶オリは茶色のオリモノのことであり、学問的な用語ではありません。色については、普段のオリモノとは異なり血が混じっているような感じを受けることが多いものの、いわゆる鮮血ではなく、もちろん生理とも異なります。
一般的に茶オリは生理前に出ることが多く、妊娠初期にも認められることが多いようです。相談を受けている私の印象としては妊娠した半数近くの方が茶オリを経験しているように思います。また、生理が来る前の兆候として認識している方も多いのではないでしょうか。
茶オリは、オリモノに極少量の血が混じったために起こる現象であると考えてよいと思います。これが全くない方もいれば、生理ごとに起こる方もいらっしゃいます。生理直前の子宮は、非常に敏感な血液の膜が出来ています。この膜からごく微量の血液が染み出すと、茶オリになると思われます。
一般的には生理前の茶オリについては、婦人科の先生も問題視しないようです。妊娠初期であれば、微出血と考えて「安静」を言いわたされることもあるでしょう。
では漢方的に茶オリを考えてみます。「統血」と呼ばれる、血液の出し入れを調節する力が体は持っていると考えます。「気」がその役割を担うのですが、その「気」が不足すると「血」が漏れ出すとされます。
簡単に言えば、「気」が足りない、すなわち体が消耗して疲れている方は茶オリが出やすい状態にあると考えられるのです。
また「血」自身にも「血」の漏れを防ぐ力があるとされます。よって、「血」が少ない方も茶オリが出やすいとも言えます。
よって茶オリが毎月あるという方は、身体の状態がベストとは言えないかもしれません。特に生理前に4,5日も続くような方は、「気」や「血」の状態があまり良くないと思われますので、やはりこれは不妊にも関係する可能性があります。不必要に心配しすぎることはありませんが、漢方的な対処を考えてみても良いように思います。
茶オリもやはり体からのサインの一つ。医学的には明確でなくても、漢方的には対処方法が見つかるはずです。気になる方はぜひ対策を取ってみましょう。