赤ちゃんを望んでいる夫婦にとって、ご主人の役割はとても大きいように思います。現在では夫婦生活を行わずに、人工授精や体外受精で赤ちゃんを授かることが出来るようになり、ともすれば男性は「精子」さえ出してくれれば、と考えがちです。
しかし「精子」も大事ですが、不妊に悩む女性を支える一番の味方は当然のごとく、ご主人です。どれだけ仲が良い友達であっても、どれだけ母親と仲が良くとも、その代りは出来ないと私は思います。不妊はとてもデリケートな問題であり、男性が女性の気持ちを理解しないと、決して上手くいかないように感じています。
不妊治療を行っているとき、私が考える男性の主な役割は以下の3つです。
★とにかく女性の話を聞いてあげる
前述したように、話し相手は多くの場合にご主人しかいません。そして不妊治療には正解がない場合も多いので、悩みもたくさん出てきます。正解がないのだから「そうだよね」と聞くしかない場合も多いのですが、話せば少しはスッキリするものです。そのうえで、不妊治療のことばかり考え過ぎないように、趣味の時間を持ったりお出かけをして、楽しく二人一緒に過ごせると良いように思います。
★出来るかぎり、二人が今までどおりの生活をおくれるようにサポートする
女性は病院に通うようになると、通院の時間が奪われます。特に仕事をしている場合は、休みのやりくりが大変になります。よって今までどおりの生活はどうしても送ることが出来なくなり、女性はゆっくりする時間が少なくなってしまいます。それを十分に理解して、男性は家事など出来る限りサポートすることが出来れば一番と思います。
とはいえ、男性もガラッと生活を変えることはお勧めできません。適度にお酒の席や趣味などを楽しみ、不妊治療の期間が「特別な期間」になり過ぎないようにすることが出来ればベストです。
★自分も当事者であることを認識して、生活を正す
当然ですが、男性の精子の状態は不妊治療の結果を大きく左右します。女性も負担を強いられているのに、男性が何もしないというのはよくありません。睡眠時間を多く取る、食事のバランスを良くする、タバコを止める、お酒の量を減らすなど、出来ることはたくさんあります。その姿勢が天に通じることはきっとあると思います。
仕事に忙しい男性が多い昨今、すべて理想通りには出来ないと思います。それでも一生のうちでは、仕事よりも不妊治療が大事という時期もあります。男性も出来る範囲で自分の役割をこなせるといいですね。