お酒と漢方.jpg皆さんお酒と上手く付き合ってますか?最近は有名人がお酒で失敗しましたし、飲酒運転で大事故という話もよく耳にします。当然ですが、ルールを守って楽しむ事が重要ですよね。
お酒と薬の関係は深く、「百薬の長」と言われるいるとおり上手に使えば体に有用なものとなります。お酒は古くから薬代わりに使われており、漢方の理論が確立する前(約3,4千年前)から存在していたようです。
中医学的にはお酒には血行を良くする作用があるとされます。血液がドロドロ状態である方に用いると効果がある場合が多く、ある種の漢方薬には「お酒で薬を飲むように」と規定されているものさえあります。また、おなじみの薬用酒も、お酒と生薬の効果で体への働きかけを強める意図があります。
さらに、体を温めて「陽気」を高める効果も知られていますので、日頃から冷えが強い方には合うとされます。
またお酒の種類によっても体に働きかける効果は違います。
●ビール…苦味があるので、食欲不振の時には良いでしょう。
●ウイスキー…温める効果が強いので、体が冷えた時に少量飲みます。
●ワイン…「補血」作用がありますので、「血虚(血の不足)」がある女性におススメです。
●日本酒…胃腸の働きを回復させ、元気をつけます。
●焼酎…芋焼酎と麦焼酎では多少異なりますが、基本的には胃腸の機能を助けます。
ではお酒を飲む時の注意点はどうでしょう。以下に述べてみました。
★大量に飲まない
大量にお酒を服用すると、それが吸収しきれずに体内に残ってしまうことになります。「痰湿」と呼ばれる状態であり、下痢や嘔吐が生じ、いわゆる二日酔いの原因ともなります。さらに飲酒を繰り返すと「痰湿」が体内から抜けなくなり、肝臓の疾患を始め、様々な病気の原因となってしまいます。
★「痰湿」「熱」体質の方は、極力控える
先に述べたとおり、お酒は「痰湿」を生じやすく、また体を温める力があります。よって元から「痰湿」が溜まっているタイプの方(体が重く、軟便傾向の方など)や体に熱があるタイプの方(暑がり、顔が赤い、皮膚炎、にきびがある方など)には基本的に向きません。
★飲まない日を設ける
毎日お酒を飲まずに”休肝日”を設けなさいと良くいいますが、飲酒が続くと胃腸にとっても負担となります。そして胃腸の負担により消化吸収力が衰え、「疲れ」「身体が重い」などの原因ともなるでしょう。
お酒は発散の力もありますから、ストレスにも良いとされます。飲み方によってはお薬にもなる”お酒”。健康維持のためにも上手に利用したいものですね。