アレルギーと漢方.jpg現代人に増えていると言われるアレルギー。お隣の中国では花粉症やアトピー性皮膚炎は多くないとのことですから、生活習慣とも関係してるのかもしれません。現代病の一つといってもいいでしょう。
年々増加している原因としては、寄生虫との接触が減ったからとか、食事の欧米化などが言われているようですが、同じような生活でも発症する人もいれば、何もなく健康な人もいます。一つだけの要素だけではなく、様々な要因が関係して発症することは間違いありません。
アレルギー体質と言ってしまえばそれまでですが、少し気を配るだけで症状の軽減につながる可能性はありますので、漢方的に見た体質改善の養生をぜひ覚えておいて下さいね。
★香辛料など刺激物を控える
香辛料は、身体に熱を発生させて、消耗につながります。そもそもアレルギー症状はほとんどで炎症が生じているため、身体を温めること自体避けるべきです。花粉症で目が真っ赤になって痒いのに、カレーを食べている人がいますが、悪化につながる可能性が大です。その他、皮膚炎の強い方や喘息発作が起きやすい方などは注意しましょう。

★生ものを控える

生ものは体を冷やすことが多く、その点は悪くないのですが、「湿(余分な水分)」を生み出すとともに、胃腸に負担をかけます。アレルギーと胃腸の関係は深く、胃腸に負担をかけることはアレルギー症状の悪化にもつながりかねません。出来るだけお腹を労わり、脂が多い料理などコッテリした食事は出来る限り控えめにしましょう。アイスクリームやチョコレート、ビールなども良くありませんよ。
★白い食材を摂る
逆に大根や白菜、レンコンなどの白い食材は、アレルギー体質に有効です。「白」は五臓の一つ「肺」と関係が深く、その色を持つ食材を食べると、「肺」機能が増すと考えるのです。「肺」機能が弱いとアレルギー体質になりやすいと考えられているため、その強化はアレルギー症状軽減に効果があると理論づけされています。
★水泳や山登りなどで呼吸器系を鍛える
「肺」の強化のために欠かせないのが運動です。特に「肺」の強化につながる運動と言えば水泳と山登り。呼吸機能のアップが特に期待できる運動であり、アレルギー体質改善に役立ちます。その他気功や太極拳、ウォーキングなどもオススメです。
★生活リズムを守り、無理をしない
睡眠時間が短く、身体が疲労している方はアレルギー症状も起きやすくなります。漢方では「腎」と呼ばれる、いわゆる生命力の部分もアレルギーに関係すると考えますから、無理がたまって「腎」が衰えると症状が出やすくなるとされます。よって出来る限り身体を労わって過ごすことが肝心なのです。
ちなみに子供がアレルギー症状が起きやすいのは、この「腎」がまだ未発達だからとも考えられます。逆に「腎」が満ちてくれば症状は段々と収まっていくはずです。
★ストレスをためない
特に目のアレルギーをお持ちの方(花粉症、結膜炎など)はストレスにも要注意です。ストレスは五臓の一つ「肝」に影響し、目の症状につながります。特に春は目の症状が多い季節なので、ストレス発散を意識しましょう。ちなみにストレスは胃腸系にも影響を与えるため、目の症状が無い方も、気を付けた方がよいことに変わりはありません。
以上のようなケアを1年中行うことは大変かもしれませんが、花粉症など一定期間だけ発症する症状の方は、その季節だけでも実践してみてはいかがでしょうか。なかなか症状をゼロにすることは難しいですが、きっと軽減にはつながりますよ。