以前にも何度か触れてきましたが、体を温める効果を持つと中医学で定義されている食材があります。こういった食材を上手に食生活に取り入れて体質を改善していくのが本当の薬膳。冷え性の方にはぜひ覚えておいてもらいたい知識です。
ただし、何でもそうですが偏り過ぎは良くありません。冷え症だからといって過剰にこれらの食材ばかりを摂っていてはいけないのです。例えば「ショウガは体を温めて体に良い」と聞くと、そればかり大量に摂ったりする傾向が強いようです。情報があふれている世の中でその真偽を確認することは難しいのですが、あまり流行に振り回されないようにしましょう。
さて以下が中医学で体を温めるとされている食材リストとなります。正式には中医学で”熱性”に分類される食材となります。”温性”より温める力が強い食材であり、逆にいえば偏りが強い食材です。長期的に毎日食べる食材は”平性(寒熱どちらでもない)”が良いとされていることを踏まえ、上手に活用していきましょう。
★羊肉…代表的な体を温める食材です。いわゆるジンギスカンであり、北海道の郷土料理となっている理由は、その肉の性質を利用して寒さ対策をしているからだと思われます。ちなみに岩手県の遠野市をはじめとする東北地方でもジンギスカンは盛んに食べられているようで、寒い地域ならではの料理かと思います。
もちろん冷え性の方には向いていて、特に産後の体のケアに良いとされます。
★肉桂(シナモン、ニッキ)…おなじみの香辛料ですが、体を強く温める性質を持ちます。漢方薬として使用されることも多く、冷えや風邪の時に用いられます。
★山椒(さんしょう)…代表的な香辛料であり、体を強く温めます。水分を取り除く作用も持つため、冷え症でむくみのある方に特にお勧めです。
★トウガラシ…これも皆さん感覚的に御存じと思いますが、強く体を温める香辛料です。食べ過ぎると汗をかき消耗してしまいますし、皮膚病などは悪化しますので注意が必要です。食欲増進にも働きます。
これら熱性の食材を、風邪で熱がある時や暑がりの方が食べることは体にマイナスとなります。覚えておきましょう。
ちなみに”熱性”より少し穏やかな”温性”に分類される食材は非常にたくさんあります。現実的には上記のような香辛料などだけでは食事を作れないので”温性”の食材を上手に組み合わせていくと良いでしょう。
以下に”温性”の食材も挙げておきます。
カボチャ、ネギ、桃、あじ、いわし、えび、くるみ、黒砂糖、ニンニク、鶏肉、生姜、酒、シソ、ニラ、ピーマン、紅茶、もち米、酢
これらは代表的な温性の食材なのでまず間違いはないと思いますが、もしかしたら本によっては違った性質で載っていることもあるかもしれません。経験則で作られている中医学なので、それは考え方の違いとしてご容赦ください。
体を温める食材リスト
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