なかなか赤ちゃんが授からずに病院へ行った場合、まず勧められるのが「基礎体温をつけること」です。「基礎体温」とは、簡単にいえば、生活活動をしていない時に生じる体温であり、朝目覚めた時に寝たままで測定します。出来るだけ同じ時間に、同条件で測った方が正確であることは言うまでもありません。
さて、この基礎体温で何がわかるかというと、女性は生理から約14日間は36.3度前後の体温となり、排卵後にはホルモンの影響で36.8度前後まで体温が上昇します。この体温上昇は、排卵が行われホルモンが切り替わった証拠となります。またこのホルモンが十分量体内にあると、次回生理までの12から14日間、体温が高い状態が安定して継続します。
よって基礎体温は以下の判断をする要素になると言えます。
★排卵日の予想
★排卵の有無
★黄体機能(高温期のホルモン分泌状態)
以上が医学的に見た基礎体温測定のメリットですが、漢方においても現在は基礎体温を基に体質を判断することが行われています。詳しい説明は次回のコラムで行いますが、主に以下のような判断に用います。
★低温期、高温期の体温数値による、「冷え」「暑がり」体質の推定
★全体的に見た体温の上下動による、「気の巡り」体質の推定
★排卵期、生理期の体温上昇および下降の状態による、「気血の巡り」の程度推定
★高温期の維持期間による、「腎(生命力)」の機能把握
その他にも読み取る項目はたくさんあります。よって体温表は漢方での判断の参考資料ともなるのです。
このように非常に役立つ基礎体温ですから、一度は付けてみることをお勧めします。しかし、基礎体温の測定にもデメリットがあります。
★毎朝一定時間に測定することは負担となる
★不妊治療をしているのだという気持ちが強くなり、ストレスとなる
★高温期に少し体温が下がっただけで、不安になってしまう
★排卵期を勘違いするケースがある
主に精神的な問題が多いのですが、理想の体温表が出来上がる人などはまずいないので、どうしても「なぜ…」と考えてしまいがちです。逆にキレイに体温表が描けても生理が来てしまい、落ち込む方も多いのです。ストレスは子供を授かるための大敵ですから、体温表をつけないようにしたら妊娠した、という話も聞くぐらいです。
メリット・デメリットを考慮し、「考え込むタイプ」の方は2、3周期つけたら、そのグラフを参考に治療方法を考えて、その後はつけない、ぐらいが良いのではないでしょうか。
基礎体温測定のメリット・デメリット
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