イライラ不妊.jpg生理前の女性はイライラすることが普通とする世間の固定概念があるような気がします。確かに、普段は落ち着いているのに時折何とも言えない異常な雰囲気に変わる女性や、とにかくいつもイライラしていてたわいもないことに文句を言うような女性を目にすることはあります。しかし、これらは特別な状態であり、健康的で体のバランスが取れた女性は、生理前であってもむやみにイライラすることはありません。時間が経った後に「なぜあの時にはあんなにイライラしていたのだろう」と思い返すことが多い方や、「気分が上下することが多い」と自覚している方は、何かしらの体のバランスの乱れがあると考えられます。
そして、このイライラが不妊につながることが多いような感覚を私自身は受けています。もちろんイライラだけでなく、落ち込みとイライラを繰り返すような方も同様です。気持ちが不安定な方は、体も不安定になります。これはホルモンバランスの乱れに直結し、生理不順や排卵障害を引き起こします。こうなれば赤ちゃんが授かりにくくなることも当然と言えるでしょう。
また、なかなか赤ちゃんが授からないと段々とストレスがたまり、イライラするようになる方も見受けられます。そういった気持ちの揺れが体に負担をかけて、さらに赤ちゃんが授かりにくくなるといった悪循環に陥ってしまうかたも多いようです。
中医学では、イライラの原因を主に「気滞」という概念で捉えます。「気」はエネルギーという意味合いであり、「気」の停滞状態が「気滞」です。この「気滞」体質が存在すると、胸や脇、お腹が張る、ガスやげっぷが多くなると言った症状と共に、精神の不安定な状態が現れます。そして、体の中の”動き”が鈍るために、排卵がスムーズに進行しなかったり、しっかりと生理で血液を排泄出来ないなどの状況が発生します。こういった変化が、少しずつ赤ちゃんを授かる確率を下げてしまうと考えられます。
よって「気滞」を改善する「逍遥丸(しょうようがん)」や「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」などをお薬の服用を検討することになります。これらの漢方は、気の巡りを改善するため、気持ちをリラックスさせることが可能なのです。もちろん不妊とは関係ない、イライラしやすい体質の方にも有効です。
ちなみに高プロラクチン血症は「気滞」と関係が深いとされます。そのような時は、上記のようなお薬と併用、もしくは単独で「炒り麦芽」を服用すると良いとされます。
そもそもイライラしているお母さんの元には赤ちゃんもやって来ずらいのではないでしょうか。もちろん一朝一夕には難しいのですが、お母さんには赤ちゃんの全てを受け止めてくれる広い心を持って頂きたいものです。そのようなお母さんの元へは、赤ちゃんは喜んでやって来ることでしょう。
「なんでイライラしてしまうのだろう」と後で悔やむことが多い方は、ぜひ体のケアをしてみて下さい。きっと体にも心にも余裕が出来て、赤ちゃんが授かる可能性は高くなると思いますよ。