不妊情報.jpg最近はネットに情報があふれ、様々な事柄が簡単に調べられるようになってきました。とても便利でありがたい面もあれば、情報過多によって逆に頭でっかちになってしまったり、ネットの情報を信じすぎて失敗をしてしまったりするケースもあるのではないでしょうか。
ネットは手軽に情報を発信できる反面、基本的に一人の主観的な考えが、あたかも教科書の記述ほどに絶対的な真実のふりをして掲載されることがあります。また営利的な観点から書かれた記事、サイトが多いことも理解しなければなりません。
ネットはまず、その点をしっかりと認識したうえで利用しなければ、危険な部分も多いと感じます。
不妊で悩まれている方も同様で、「なかなか授からない」という予期せぬ事態に直面した時に、すぐに病院に行く方は皆無ではないでしょうか。まずはネットで不妊について調べるという方が多いと思います。
その際に、様々な情報に触れて、それを信じ、自分で深く考えることなく病院の治療を進めてしまうという例があるのではないかと想像します。しかし、結局は自分の体は他人とは違うのです。一度は立ち止まって冷静に考えることをお勧めします。
とはいえ、不妊かなと感じた時に、妊娠についての仕組みや不妊治療について知っておくべきことはたくさんあります。その際に情報を集めたりするうえで、ネットはとても役に立つでしょう。そこで、情報収集時に知っておいた方が良いかなと思われることについて、私なりの考えを述べさせて頂きたいと思います。

※ネットの情報が一番怪しい。しかしそこに真実があることも…

前述したとおり、たとえそれが医師が書いた内容であっても、その内容を誰かがチェックしたり確かめたりした訳ではありません。その医師の考え方が真実でないケースも必ずあります。よって、ネット上のほぼすべての内容について「こういう考えもあるんだ」と参考にする程度にしましょう。
とはいえ、様々な理由によって主流となっていない考え方、方法論が、ネットでは容易に披露できます。そういった知識、情報が拾えるのもネットなのです。
※医学的にもっとも信頼できる媒体は文献
科学として認められる真実は文献に記載されたものに限ります。それは文献は複数の専門家によって、データの検証が行われるためです(それでも間違いはありますが…)。
よって新聞に「男性不妊の方に朗報!○○博士が精子の運動率を上げる薬を発見し、学会で発表」と出ていたとしても、学会発表されただけではまだ何とも言えないという側面があるということを覚えておきましょう。
ちなみに本や雑誌は監修者がついていることが多いため、ネットよりは信頼できる内容が多いですが、それでも100%真実ではありません。
※口コミにも注意
私たちが一番頼りにする情報が口コミかもしれません。知り合いが「〇〇病院の不妊治療で妊娠したよ」と教えてくれたら、行ってみたい気になります。しかし先生との相性は人それぞれ。合う合わないはどうしてもあります。
また、「○○を飲んだら妊娠した」という話は山ほどありますが、漢方薬も含め、不妊の特効薬は残念ながらありません。その点は頭に入れながらも、結局は”カン”が一番であったりするので、自分なりに情報を吟味して対応を決めていけば問題ないと思います。
このようにいろいろ書くと「何を信じれば良いのか分からない…」という声が聞こえてきそうですが、不妊治療においては正解がないということ、人間の体、特に生殖については不明な点がとても多いということの裏返しなのです。病院で医師から断定的に何か言われたとしても多くは”絶対”ではありません。多分この方法が一番確率が高い、とか、今までの経験上ではこうだろう、という根拠で話をしているだけであり、すべてを鵜呑みにはしない方が良いと思います。
とはいえ、このコラムの内容自体も私が独断で書いた内容です。「このような考えもある」と感じながらでも読んで頂き、何かのお役にたてれば嬉しく思います。