「女性は年齢の7の倍数で体調に変化が現れる」。最近雑誌やコマーシャルで耳にするようになったフレーズですね。これは「黄帝内経(こうていだいけい)」という、二千年以上前に書かれた漢方のバイブルのような書物に謳われている内容です。
二千年前の言葉に納得できる部分があるという点で驚くかも知れませんが、人間の体は二千年ほどでは大きく変わらないのではないでしょうか。人類誕生からは200万年とされますし、その間に少しずつ進化しているとはいえ、本質自体に違いはありません。もちろん今の環境の劇的な変化が人間の体に与える影響は大きいとはいえ、先人が考えた理論は今でもあてはまる部分が多いのです。
さて、7の倍数の話に戻りますと、女性の場合は節目とされる35歳、42歳、49歳の養生はとても大切と考えます。1,2歳ずれることもありますし、どこか一つの年齢で大きな変化が現れる方もいらっしゃいますが、この7の倍数の原則はとても大事であることは間違いありません。大まかには以下のような変化があると考えます。
7歳…成長期
14歳…初潮を迎え、女性らしくなっていく
21歳…成熟し、親知らずが生え、身長の伸びが止まる。以降、妊娠に適した年齢に
28歳…身体のピークを迎える
35歳…肌や髪に加齢による変化が出始める。妊娠力も低下
42歳…衰えが加速し始め、白髪が増え、生殖機能低下
49歳…閉経
とされます。黄帝内経の記載はここまでですが、個人的には続く56歳、64歳、70歳も節目になってくると考えています。
このようにまとめてみると、28歳のピークを過ぎてしまえば下降線。悲しい気分にもなりますが、それは自然の摂理。女性が全員通る道でもあります。その摂理に従って体のケアをすることが大切に思います。急な変化を防ぐことが重要なのです。
なおこの変化は中医学的に「腎精」と呼ばれる、生命力の源の変化で説明されます。この「腎」の衰えこそが老化なのです。
さて、この7の倍数の変化をもとに、不妊について考えてみましょう。やはり35歳という年齢が一つのポイントになりそうです。この35歳を過ぎる前は体の老化にさほど神経質になり過ぎる必要はありません。最近はFSHやAMHで卵巣の年齢がさも分かるような検査がされていますが、やはり実年齢は非常に大事な要素です。もちろん個人差はありますが、35歳までは「自分は若い」と自信を持っていくことも大事なように思います。
次の節目は42歳。この年齢になると確かに妊娠の力の衰えが顕著になってきます。「腎」のケアを大事にしなければならず、妊娠を希望する方は「オリジン」や「参馬補腎丸」「杞菊地黄丸」などの「補腎薬」を服用されると良いでしょう。
しかし閉経までは妊娠の可能性はゼロではありません。可能性は低くなっていくことは致し方ありませんが、その可能性を少しでも高く保つようにすることが大切です。
7の倍数の変化については皆様も思い当たる節があるから、最近話題になっているのだと思います。古人の知恵を大切に生かして妊活に役立てていきたいものですね。
7の倍数の変化と不妊
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「空胞を防ぐために」