生理時の体温が下がらない漢方.jpg不妊治療をする際に病院から求められることの多い基礎体温。しかし、「基礎体温を付けてお持ちください」と言われはするものの、先生は数秒しかみないということもほとんどかもしれません。また、初診の時だけチェックして、それからは病院で行う検査頼りという場合も多いことでしょう。
なにかやるせないですが、毎日不安を抱えつつ赤ちゃんを望んでいる方にとっては、基礎体温表は自分の状況を推し測るツールになるように思います。医学的にはそれほど重要視されないということからも、過度に一喜一憂せずに基礎体温表と付きあうと良いように思います。
とはいえ、医学的には問題が無くとも、やはりキレイな基礎体温表の方が授かりやすい傾向にあることは間違いないと私は考えています。相談を受けていても、「第1子の時は基礎体温が整ったと思ったら授かった」「体調が悪いと基礎体温がガタガタになる」という話をよく聞きます。教科書通りにはならなくとも、二層に分かれ、体温が安定している80点ぐらいの基礎体温は目指したいところですね。
さて、そのうえで基礎体温表で気にされる方が多い悩みの一つが「生理時に体温が下がらない」という現象です。確かにこの現象は目にすることが多く、よい生理の一つのバロメーターになるように感じます。二つのパターンがあり、生理が来てからすぐには下がらず、ゆっくりと体温が下がっていくケースと、一度大きく下がるけれど3日目ぐらいにまたポンと上がるケースがあると感じています。
やはり生理は体のお掃除でもありますから、しっかりと最初から”熱”も出て行ってくれた方がいいのですよね。医学的には黄体ホルモンの値が高いと考えられるのかもしれませんが、この状態が顕著な方はLUFやPCOの可能性もあるように思います。
なお、生理のように見えても妊娠していて、基礎体温が下がらずに不正出血状態となっていることもあります。この場合は体温は高温で一定となります。
では、漢方的に基礎体温が一気に下がらない原因を考えてみると、やはり”熱”が上手く排泄できなかったと捉え、巡りの悪さがあるとします。「血」の流れが悪い「お血」、もしくは「気」の流れが悪い「気滞」があると起きやすいとされるのです。
もともと生理時は、「気血」の巡りを良くする必要があるとされますが、体温が下がらない、途中で一度上がってしまうという方は、この「お血」「気滞」対策を十分に行わなければなりません。具体的には「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」や「水快宝(すいかいほう)」などを使うとよい結果が出るでしょう。
最初にお伝えしたように、基礎体温は一つの目安程度と考えつつ、生理時にキレイに体温が下がり安定する状態を目指して、体のケアに取り組んでみて下さいね。