不妊相談を受けていると「今月は生理が2回来た」というお話を聞くことがあります。生理は月経と言うぐらいですから、月に2回来ると不安を覚えてしまうのだと思います。しかし月の初めの1日に来て、後半29日にもう1回と言うような感じであれば、28日周期で全く問題ありません。生理が始まった日を1日目と考えて、次の生理までの日数で考えるといいですね。
とはいえ、特に不妊傾向で、生理周期が以前は28日であったのに、少しずつ短くなり25日となった…というような方も多く、この場合は注意が必要です。理想の生理周期は28日から30日ですが、32、33日などと長くなるより、24、25日と早まる方が心配な印象があります。なぜなら、生理周期が短くなる現象は、卵巣機能の低下によって起こることが多いと言われるためです。
40歳を過ぎ、42歳ごろからは段々と周期が早まる形が自然な流れでもあるのです。
ということもあり、生理周期が短くなってきた場合は対策を考えていくべきと考えますが、病院での治療は排卵誘発剤やピルで形だけ周期を伸ばすことは出来ても、根本的な対策は取れません。一方で漢方の理論には、生理周期が短い場合に考えられる体質が定義されており、その改善方法も明確になっています。もちろん必ず効果をもたらすものではなく、年齢的な機能低下は簡単に治るものではありませんが、何百年と言う期間積み重ねられてきた漢方理論に沿っての対策を検討されてもいいのではないでしょうか。
具体的には、生理周期の早まりは「月経先期」と言われ、「気虚」または「血熱」が関係していると考えます。「気虚」とは、「気」すなわちエネルギー不足であり、「血熱」は体の内側の「熱」の存在を示します。
疲れやすく、冷え気味で、胃腸が弱いタイプの方は「気虚」の可能性が高く、この場合には「補中丸(ほちゅうがん)」などの漢方薬を使用します。
一方で手足がほてる傾向があり、冷えのぼせや発汗、睡眠不足がある場合には、「陰」が不足した「熱」タイプと考えてもよいでしょう。年齢とともに生理周期が短くなってきている場合には、このタイプであることがほとんどです。「熱」を冷まし、潤いをもたらす「瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)」「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」などの漢方薬を用いて対処します。
しかし、月経先期の原因は簡単ではなく、ストレスが絡んでいることもあるなど、漢方的な対処方法も様々です。漢方の専門家によく相談をして、解決方法を探っていきましょう。
生理周期が25日の状態より、自然な形で28日周期となった方が、妊娠の確率は格段に上がると私は考えています。そして赤ちゃんのことはもちろんですが、更年期対策にもなるはずです。ぜひ漢方的な対処を検討してみて下さいね。
生理周期が早まる方の体質と対処方法
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